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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    2016エリザベス女王杯~京都外回り芝2200m 

    埴輪馬

    日曜の夕方から、重い病で寝込んでいた。

    と言っても、新型ウィルスなどによる発病ではなく、ずっと以前からある伝統的な奇病なのだが・・・。

    それは、1着3着病という重病である。

    この病がたちが悪いのは、限りなく輝かしい希望に近づいて、その最後の一瞬にズシンと心を傷つけるからだ。まるでほくそ笑む死神につきまとわれてしまったような暗い気分で、何も手につかなくなって打ちひしがれてしまうのだ・・・。

    2016エリザベス女王杯を終えた瞬間、私の身体から力が失われて、暗鬱な沈黙に支配された。

    それもそうだ。トライアル府中牝馬S。ラスト3F33秒5の差し脚で力強く弾けたM.デムーロ・クィーンズリングの完勝ぶりを見て、エリザベス女王杯は、この馬と、浜中俊ミッキークィーンの一騎打ち。おそらく天気がもって高速馬場の瞬発力勝負となる本番では、時計のかかった昨年のこのレースや宝塚記念を勝った蛯名正義マリアライトは人気でも消えると踏んで挑んだエリザベス女王杯だった。マリアライトは34秒台の脚で勝ち切れるときこそが出番となる馬だと見極めていたからだ。

    1コーナーで、福永祐一シャルールの内斜行の影響をドミノ倒しのようにまともに受けて、大きく後ろに弾き飛ばされたマリアライトは、この時点で勝利を逸してしまったが、もし仮にそれがなかったとしても、おそらく勝ち切れる態勢までは作れなかったろう。
    中団インから、クィーンズリングが33秒2の脚で弾けたからである。クィーンズリングは遂に完成期を迎えたのだと言い切れるのではないか。

    1枠1番からの出走となったミッキークィーンは、道中も中団インを確保し、ゴール前も33秒6の脚で伸びてはきた。が、第4コーナー辺りのこの馬らしくないモタツキが、半年休養後の緒戦ということだった。それでもこれまでの実績を考えれば、このエリザベス女王杯で、私自身がミッキークィーンを外す訳にはいかなかった。ファンとはそういうものだと思うが、3着まで来るのなら、もっと上位を確保して欲しかったというのも本音である。

    今回、クイーンズリングとミッキークィーンを大本線にして、あと1頭ほんの少しだけ押さえる馬を見つけ出そうとしたとき、嘘も隠しもなく選ぼうとしたのは、馬ではなく騎手だった。とすれば、残るのは世界のR.ムーアか今や日本のC.ルメールしかいない。

    そう。実は私は正解に限りなく近づいていたのである。

    ムーアとルメールは同じ5枠に同居していたから、枠連の手もあるなと一瞬思ったが、しかしクィーンズリングとマリアライトも同じ2枠に同居しているから、これは全く面白くはない。

    迷いながら、最終最後に改めて成績欄を見てしまった。ルメール・シングウィズジョイは、確か母馬シングライクバードの現役時代は横山典弘が騎乗していたんじゃなかったかななどと頭を巡らせながら見たのだが、これまで晴れやかな大きなレースでは、まだ一度もその能力を見せてはいなかった。しかしムーア・タッチングスピーチは昨年の3着馬である。 

    そして最終最後にもう1頭には、ムーアを選んでしまったのだ。あぁ・・・。

    結果からすると、好位から33秒6の脚を使って粘り抜いたシングウィズジョイは、これまでその持てる能力を眠らせていた馬だった。それがここ1番のレースで発揮されたということなのだろう。この今までの成績からしても、敢えてルメールを配してきた関係者だけが、可能性を見極めていたのである。してやられた印象がぬぐえない。

    で、終わってみれば、どん底の1着3着病。それも限りなく正解に近づいていたのだから重症だ。
    今はまだ、この精神状態を、どう復活させようか目途はついてはいない・・・。

    ふとかつて私の取材に答えた20年も以前の騎手田原成貴の言葉が甦ってきた。
    「いやぁ、鶴木さん。競馬のことはね、僕らは騎手はね、競馬で取り戻すしかないんですよ・・」

    だから私も、こう言うべきなのかも知れない。
    「私らしがないファンもね、競馬のことは、競馬で取り戻すしかないんだよ」と。

    でもそれがいつになることかは、神様のみがお知りになることなのだが・・・。





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    category: 競馬

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