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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    2015有馬記念~中山芝2500m その① 

    埴輪馬

    朝8時過ぎに家を出て、レッドアローで池袋。丸の内線で大手町。東西線に乗り換え西船橋。そこから220円の専用バスで中山競馬場。いつもの関東甲信越小さな、いや大きな旅で、来賓受付からゴンドラに上り、「優駿」招待ルームにやっと着いたのは11時過ぎ。たどり着くまでに、かなりのエネルギー消耗状態になるが、今ではもう諦めている。

    部屋に着くと、見知った先客と挨拶代わりのジョークを飛ばして、そのままゴンドラに出て椅子を確保しがてらカバンを置いた。この席が今日の私の拠点となる。ホームストレッチの坂を上り切った辺りの地点で、おそらく眼の前がこの日の有馬記念最大のヤマ場を迎える場所となるはずだ。

    昼を過ぎた頃、しばらく会っていなかった知人からメールがあり、「小5の息子にせがまれて、今日は中山にいます」とのこと。電話してどのあたりにいるかと聞くと、「ゴール前のフェンスの近くに場所を確保できた」とのこと。「じゃあ、ちょっとそこまで行ってみるから」と答えたものの、今日の場内は人が多く混雑していて、一般席の通路にまで溢れ、人をかき分けそこにたどり着くまでが一苦労だった。年末27日の故か、熱気に殺気までもが入り混じっていて、まごまごしていると罵声も浴びせられかねない雰囲気である。久し振りにかつての有馬記念の風情を味わったような気がした。少しばかりの立ち話をして、互いに元気なことを確かめ、私はまたゴンドラに戻った。

    私自身は、競馬に親しんだ当初から(と言っても子供のときからだが)、レースがあるからといってどのレースにも手を出すことはしてはいない。知っている馬たちが出走する狙ったレース中心主義で、長続きしてきた。だからこの日も、有馬記念まで、様子見でほんの少しだけ買って、本番の為に競馬の気分を高めようとしたのは、2歳重賞のホープフルSだけで、後はひたすら有馬記念のことを考えようとしていた。たまに人様につき合ってワイワイと余分なものに手を出すこともあるが、そんなときにはいつも大怪我が待っていることを体験してきてもいた。

    ひとつのことを、これでもかこれでもかと考え抜いていると、とある一瞬に自分の中で何かが閃くようなときがある。勝負の神様を迎え入れて、自分自身が憑依された瞬間と言ってもいいだろう。でもいい加減な集中では、そんな神々しいときを迎え入れられないことも、もはや経験的に理解している。だからその考える忍耐の時間は、私にとっては身を浄める禊ぎの時間でもあるのだ。おそらくそのことは、古来から伝承される民俗学や芸能の心に触れている方には理解してもらえるだろう。

    第9R。何かを暗示するように豪快にディープインパクト産駒ハートレーが豪快に差し切ったホープフルSを終えて、2015有馬記念のパドックに16頭の精鋭たちが集った。

    じっと各馬の状態を見守った。
    朝日杯からのこの1週間、競馬マスコミの間では、実に様々な風説や予想が飛び交っていた。残念ながら、ホラこれなら大穴馬券的中でしょうという見せかけの大言壮語が中心で、感性や想像力に富んでなるほどと感心させられるものは少なかったが・・・。

    私は、この有馬記念のテーマをスローペース、右回り2500mと考えていた。
    内田博幸とゴールドシップのコンビが復活したニュースを知っても、おそらく今のゴールドシップの残り1000m地点からの「まくり」は4コーナーで他馬の抵抗にあうだろうと読んだ。
    右回りという条件で、M.デムーロ・サウンズオブアースへの期待は持ち続けた。
    最近のもうひとつ自分への自信が漲っていないように感じられる川田将雅の騎乗が気がかりだったが、2015年を楽しませてくれたラブリーデイには、それでも期待を失わなかった。
    負傷した北村宏に代わってキタサンブラックに騎乗することになった横山典弘には、レースの流れを見切って、何か仕出かしてくるかも知れないとの予感を持った。
    神戸新聞杯から応援したC.ルメール・リアファルには、直前のこの1週間に専門誌各紙で多くの2重丸の本命印が集中し始めたことに、何となく嫌な予感がし始めていたが(とかく勝負事は人々の思惑の裏をかく結果となるという意味においてである)、それでもじっくりと見てみようかと決めていた。
    最終追切の気配の良かったゴールドアクターは、去年の菊花賞3着馬ではあったが、この夏の函館で復帰したときにはまだ1000万条件で、これまで闘ってきた相手は明らかに格下であり、もし11月のアルゼンチン共和国杯でゴール前にやっとアタマ差メイショウカドマツを交わせなかったら、そもそもこのメンバーの中にはいなかった馬だと思っていた。しかし、それだけ強運の持ち主だったのは間違いない。
    それが、パドックを観る前までの私の所感だったのである。

    じっと出走各馬を見守る。
    ラブリーデイ。JCのときより状態のベクトルを少しばかり下げているように直感したが、それでもこの馬への期待は失わなかった。
    サウンズオブアース。眼が印象的だった。まるで戦場に赴く兵士のようなギラギラとする力に溢れていた。
    キタサンブラック。またひとつの成長を感じた。
    リアファル。少しばかり気が上ずっているような印象だった。
    そしてゴールドアクター。好気配の雰囲気を放っているように感じて、何度も確かめるように目線が行った。
    ゴールドシップ。競走馬として走りたいと馬が欲しているのではなく、もはや種馬として早く「やりたい」と願っているような微笑ましさまで感じてしまった。

    私は、本馬場入場から返し馬まで馬を見続けた。
    最初にゴールドシップが先入れで馬場に入ってきてギャロップに入ると大歓声が上がった。これがこの馬の大衆人気なのだ。
    気になる馬たちがそれぞれの思惑のままに馬場に散って行ったとき、私は決断した。

    やはり決めていた通り、ラブリーデイからサウンズオブアースの馬連を勝負馬券にして、キタサンブラックと、ほんの少々リアファルを抑えておこう。それに、あまりにも好気配に感じたゴールドアクターから、今日の眼が気に入ったサウンズオブアースと、好きなラブリーデイへの2点を抑えておこうか。これは趣味の応援馬券だ。吉田隼人には、07年秋天皇賞のアグネスアーク2着で大勝利させてもらった恩もあるし・・・。

    この閃きが、ずっと考え抜いていた私が、勝負の神様を迎え入れた瞬間だったのかも知れない。

    ☆この項、さらに続く。











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    category: 競馬

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