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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    10月26日 菊花賞(京都芝3000m)~ダービー馬無残なる敗退 

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    菊花賞の出馬表が発表されて後、私はずっと考えていた。
    それは、3冠最後のクラシックレース菊花賞の前に必ず行う作業である。

    トライアル・セントライト記念と神戸新聞杯では、いずれのレースがレヴェルが高かったのか?

    まだ底を見せていない夏の上り馬はいるか?

    第3の上り馬と春の王者との間に、歴然とした力量差はあるのか?

    ダービー馬ワンアンドオンリーが、7枠15番と決まって後も、上記3ポイントに照らし合わせて、ワンアンドオンリーに致命的な不安材料などどこにも感じなかったのである。しかし、7枠15番には、決定的な落とし穴があったのだった・・・・。

    パドックを見ていると、もう秋の気配の爽やかな午後なのに、多くの馬たちがポタポタと発汗していた。気温が高いはずもなく、おそらくは焦れ込んだ躁状態の発汗だったろう。(と、思ったが、現場にいたカメラマンによるとかなり暑く感じる状況だったという話もある)いずれにせよ、そんなときは、ゲートが開いた瞬間に前へ前へと行ってしまう馬が現れると感ずるのが競馬の経験則だ。それでも、ワンアンドオンリーは大丈夫、今や名手の横山典弘がきちんと手綱のアートを見せてくれると信じて止まなかったのである。

    ただ、もうひとつ嫌な感じもあった。菊花賞直前の10R。2400mの準オープンのハンデ戦。武豊トウシンモンステラの勝利タイムが2分22秒8というレコードタイムに0.2秒に迫る好タイムだったのである。今日の京都コースは、予想以上の高速馬場なのだ。おそらく菊花賞もハイペースとなるだろう。それがどう結果に影響するのか、実際に騎乗することのない私には、何となくもどかしかったのだ。

    発汗して焦れた馬、高速馬場。やはり菊花賞はハイペースに流れた。

    前半5F1000m60秒9。それを3度繰り返して3000mとなるが、菊花賞はスピード的にはそれ以上のサバイバル戦となったのである。

    7枠15番から、スタートした横山典弘ワンアンドオンリーだった。好スタートから先行馬群の後ろにとりついたものの、馬群の外を廻らざるを得ず、外には邪魔する馬はいないから、さらに前に進もうと馬は気負っていた。スムーズな走りではなく、掛かり気味の走りとなってしまったのだ。

    ようやく川田将雅トゥザワールドの後ろに廻れたのは、スタートして1200mも進んだ2周目の第1コーナーの手前地点だった。その間、今年の夏の上り馬酒井学トーホウジャッカルと蛯名正義サウンズオブアースは、好位の後ろのインのポジションで、何の不利もなく、じっとスムーズに流れに乗っていた。

    京都の勝負処の坂から第4コーナー。横山典弘ワンアンドオンリーは再び外に出て捲り上げようとした。その姿が映像でUPされると、大観衆は誰もがそのまま突き抜けると信じたが、しかしもうすでに、レース前半の気負った走りの故か、どこにも余力を残していなかったのである。

    せめて8枠に先行できる逃げ馬がいてくれたなら、おそらくこんな結末はなかったろう。或いは、ハイペースに流れず、走りながら力を貯められる勝負となったなら、おそらくこんな結末はなかったろう。でも多くのファンの祈りを打ち砕く非情な現実こそもまた、勝負の掟なのだ。ワンアンドオンリーは、4コーナーを廻ってからは、横山典弘の追い出しにも、ダービー馬の威厳を失うかのように、もはや無反応だった。

    4コーナーを廻った瞬間に、馬群のインから最初に飛び出したのは、酒井学トーホウジャッカルだった。
    続いたのは、最内に切れ込むように向かった蛯名正義サウンズオブアースだった。
    共に、好位のインで折り合いに徹して、そのときを待っていた2頭だった。

    他馬を離して2頭は突き抜けた。
    しかし酒井学トーホウジャッカルは、サウンズオブアースが並ぶことを1度として許さなかった。

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    ゴールインしたとき、電光掲示板には、3分01秒フラットのレコードタイムが光り輝くように掲示された。8年前、武幸四郎ソングオブウィンドが刻んだ時計を、何と1秒7も短縮した驚きの走破タイムだったのである。

    しかもトーホウジャッカルは、ワンアンドオンリーがダービー馬となる前日にようやくデビューして10着。それからわずか5か月(正確には149日)で、最後のクラシック菊花賞を制したのである。デビューから史上最速の菊花賞馬となった。

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    勝利騎手酒井学は、デビュー17年目。2年前のジャパンカップダートG1を、ニホンピロアワーズで勝っているが、最速のトウホウジャッカルとは対照的に、遅咲きのクラシック制覇となった。馬につきっきりで調教に励んだ騎手の勝利は、いかにも微笑ましく爽やかな印象を残して止まなかった。

    勝利騎手インタビューで、酒井学は言った。
    「クラシック制覇なんてまだまだ遠い夢のような感じでしたが、でも、いい相棒が現れて・・・・直線に向いたときは、後ろを気にしないで追いました・・・・」
    この謙虚さが、また爽やかさを呼び起こしたのだった・・・・。

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    category: 競馬

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