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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    希少価値の赤柾~最近の囁き 

                           96錦旗赤柾連盟(出石=由進作 錦旗 赤柾)

    今、駒作りの現場や現場の周辺に生きる人たちから、こんな声が漏れ伝わってくる。

    「いやぁ、赤柾の木地が手に入らない」と。

    木地師杉亨治のHPを覗くと、過去に成型したプロが認める素晴らしい赤柾の木地が並んでいるが、そう言えば最近の成型木地はほとんどないようだ。原木から仕入れる木地師でも、困惑している状況なのかも知れない。

                            www.ac.auone-net.jp/~kijishi/ 

    世の中には、一部で「赤系柾目」などという便利な用語もあるようだが、それと本来の赤柾とは、似て非なるものらしい。

    2・3日前、別件で由進と連絡を取ったときにも、最後にそんな話題となった。

    赤柾は、くっきりと木目が立ち、引き締まって固く、木の形成層(柾目の春から夏に向かって成長する部分)にもほんのりとした赤味が漂い、縦筋(冬場の成長部分)は赤色濃くそれなりの幅を持っている。

    原木を輪切りにして柾目が現れるのだから、赤柾や柾目の木地の表情は、実はその原木の成長過程を証明する年輪が刻まれていることになる。糸柾などと呼ばれる木地は、本当にスローな成長を証ているのだ。

    一般に、木も人間と同じように、厳しく貧困な環境に育つと、逆に耐えて育つことで木目自体は美しくなり、日当たりの良い超えた土地で他の植物との生存競争もなく育った木は年輪幅が広く、木自体は固くなるのだという。

    現在、黄楊の木における虎斑や杢目模様は、木の病から生ずると言われている。反面、柾目は健康で、だからこそ固く引き締まっている。実際に駒作りをして彫ってみるとすぐに判るらしい。

    となると、不思議なことが浮かび上がってくる。例えば、柾目で考えると、白っぽい部分を夏目、縦筋の部分を冬目などと呼んでみると、夏にも成長し、同時に冬場にも成長して初めてしっかりとした柾目の木目が現れることになる。赤征も同様だろう。

    つまりは、赤柾のくっきりとした模様は、ただただ逆境に耐えることで生まれるということではないということになるではないか。

    私と由進の話は、それやこれやを踏まえて、この日、こんな仮説の結論に至った。

    「だからですよ、赤柾の赤味は、実は遺伝子レヴェルの特性なのではないかと言う仮説が生まれるんです」
    「だったら、これはもはやあの小保方さんの新しい研究に任せるしかないですね」
    「まあ、今後は少しは時間ができるでしょうし、ぜひ明らかにして欲しいですね」
    「もし遺伝子レヴェルの特性なら」
    「そんな特性を持つタイプを植林したら数十年後には楽に赤柾が手に入ることになるんですが。でもまだ推測でしかないんで・・・」
    「以前に確か3昼夜ほど燻すと赤味が出るという説を聞いたことがあります」
    「まだそれをご本人が実用化されてない訳ですから、コストや手間などを考えると何か限界点があるのかも知れません」
    「本当にそれだけ希少価値になっているんですか?」
    「木地師に訊いても、なかなか手に入らないんですよ。1年前に赤柾でと注文を受けた分も、最近ようやく木地が調達できたぐらいですから・・・でも待った甲斐があって、納得してもらえるものが杉さんから手に入りましたがね。ホッとしました」
    「うーん・・・」

    こんな現状があれば、これからは、くっきりと目の立った根柾や正統の柾目が価値を呼ぶような気もしてくる。だがしかし、いつか1組は所謂赤柾の駒も欲しいものだと、逆にない物ねだりしてしまいそうで、何となく怖い・・・。

    新作安清用赤柾 (新作江戸安清用島黄楊赤柾木地) 2013 915由進・出石号・安清(出石作江戸安清根杢盛上げ)

         ※「江戸安清」は、前沢碁盤店所蔵の中将棋から出石が新たにアレンジして創った書体である。



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    category: 将棋駒

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