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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    5月4日春天皇賞(京都3200m)その③~蛯名正義連覇 

    140504 春天皇賞④ ウィンバリアシオン 140504 春天皇賞① ゴールドシップ 140504 春天皇賞③ フェノーメノ キズナ140504 天皇賞  140504 天皇賞 ホッコーブレーブ
                         (提供:写真家石山勝敏 問い合わせはリンク先HPへ)


    出走馬が地下道を歩いて本馬場に向かう間に、私は、またもう一つ迷いに通じることを考えてしまった。

    昨年の菊花賞馬エピファネイアのことである。確か不良馬場で3分05秒2の圧勝劇。今日も出走しているサトノブレスを寄せつけなかった強い勝利だった。そのエピファネイアが香港G1(結果は4着)に向かって、春天皇賞を回避した本当の理由は何だろうか?と。キャロットファーム所属のエピファネイアではあるが、総枠としてノーザンファームグループの馬と考えるなら、グループとして春天皇賞を勝てると踏むだけの馬が、実は他に存在しているのではないか?と。

    改めて出走馬を見渡してみたが、ノーザンファームの生産馬か関与するクラブ法人の馬では、生産馬としてウィンバリアシオン、サンデーレーシング所属馬でフェノーメノの2頭しか思い当たらない。

    このとき私は、そうかやはりウィンバリアシオンかと安心してしまった。フェノーメノの日経賞5着以上に見せ場さえなかった凡戦が、名馬は絶不調でも掲示板に乗るし、休養明けなら2戦目にはきちんと本来の姿に戻るという競馬の経験法則を忘れさせてしまっていたのである。

    もし私が、もっと単純な、物事を穿ってみないで素直に受け入れるタイプの人間なら、この瞬間にしめたと思って飛び跳ねたのだろうが・・。何と報われない性格なのか・・・。

    ウォーミングアップ。各馬それなりの走る気配でキャンターに入った。

    この最後のチャンスに、私は、迷いを捨てて、自分なりの納得する決断をした。

    ウィンバリアシオンからゴールドシップ、フェノーメノへの馬単。有力馬が牽制し合って紛れたら先行馬とサトノブレス、ラストインパクトへの馬単少々。久し振りの馬単だった。いろいろと迷路で迷った結果、開き直るように強気になったのかも知れない。それともゴールデンウィークを愉しむためには、馬連の配当では満足できなかったのかも知れない。
    でも欲はいつのときも運を逃すものなのだ。

    ファンファーレが轟いて、出走各馬がゲートイン。

    あれ、ゲート内でゴールドシップが立ち上がって暴れていると心配した直後にゲートが開いた。

    何と、ゴールドシップは、ただ1頭で遅れて最後方待機となった。前走では影を潜めていた癖馬の悪癖が、本番で繰り返されたのである。おそらくもうC.ウィリアムズではこの事態を克服できないだろう。

    その直前に武豊キズナがいる。実質は最後方待機のようなものだ。距離損を避けてインピッタリを進み、2周目勝負処から前に進出し、4コーナーで外に出す。そんな騎乗ができれば活路は開けるが、武豊はそうはしないだろうし、キズナ自身もそんな器用さを持ち合わせてはいないだろう。たぶん、このままあっさりとした追い込み競馬になるのだろうが、それで通用するほど古馬G1の競馬は甘くはない筈だ。

    蛯名正義フェノーメノは中団8番手辺りのインを進んでいる。レースのフォーカスは、後方へと向かっているから絶好のポジションかも知れない。

    武幸四郎ウィンバリアシオンは、後方の外にいた。そのときが来たら、いつでもスパートする体制を守っていた。

    先行した浜中駿サトノブレスや川田将雅ラストインパクトがペースを作り、やはり1000m61秒ほどの流れを刻んで、レースは言わば単調に進んだ。

    となれば、後は2周目坂を上って下る京都特有の第3コーナーからの攻防がレースの結末を決定する。

    その勝負処の第3コーナー。

    せめて内田博幸がそうしたように、ウィリアムズが残り5F標から動き出せば、ゴールドシップにもほんの僅かなチャンスが開けたのかも知れない。でもそうはしなかった。勝負の常識に囚われて、できなかったのかも知れない。

    坂の下りの途中から、武幸四郎ウィンバリアシオンが外から捲り上げ始めた。このときには、幸四郎はもう後ろを気にはしていなかったように映った。だが、来るなら来い!と自信を漲らせてというよりは、何となくおそるおそるのような動きに見えた。もし事前に1戦でも乗っていたらこんなことはなかったろう。

    そのとき武豊キズナも動き始めた。進路は大外となった。

    外に大観衆の視線が釘付けになっている間に、蛯名正義フェノーメノがインを攻め上げて、第4コーナーで馬場の真ん中辺りに進み出た。巧みな誘導だった。

    第4コーナーを廻って、先に先頭に立ったのは蛯名正義フェノーメノだった。その外から並んできたのは武幸四郎ウィンバリアシオンだった。

    2頭の追いつけるか、突き放すかの直線の攻防が続いた。フラットな京都のホームストレッチだけに、後続馬もそれなりに迫っても来た。

                        140504 春天皇賞② フェノーメノ ゴール

    ウィンバリアシオンにもう一つの伸び脚があったなら、私の見極めは正解となったが、今一歩及ばなかった。それでもいい。様々に迷い、放浪う迷路の中で考えた様々なことは、大きな誤りはなかったのだから。

    3着に差してきた田辺裕信ホッコーブレーブもレヴェルが高い前哨戦と見定めた日経賞の2着馬だった。キズナをミドルディスタンスこその馬としたことも間違いではなかった。ただ騎手交替によってゴールドシップの悪癖再現までは読み込めなかったが・・・。

    今はただ、フェノーメノを祝福するだけだ。あの見せ場もなかった日経賞敗退から、よくぞここまで強いフェノーメノとして復活したものだ。種牡馬ステイゴールドのしたたかさを、改めて思い知らされた気がする・・・。

                        140504 春天皇賞⑥ フェノーメノ

    3分15秒1。上り4F46秒5、3F34秒8。
    春天皇賞を連覇したフェノーメノは、メジロマクイーン、テイエムオペラオーに続いて史上3頭目の名馬となった。
    騎手蛯名正義も皐月賞に続きG1連勝を果たした。ただゴール前の100mで鼓舞した騎乗フォームのケツ振りダンスが、本当に効果的だったかどうかは、私には判らない・・・。




    レース後、ゴールドシップの肉離れ、そしてキズナの骨折が発表された。ひとつのレースの裏側には、競馬ファンの一途な推理もあり、また同時に命を賭けたサラブレッドの姿がある。それが競馬を支える本当の原動力なのだ。






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    category: 競馬

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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