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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    巻菱湖三態 

    しばらく振りに、駒いじり。
    今日のテーマは、巻菱湖だ。その書体研究などと銘打って、お勉強の時間にした。

    彫駒と盛上げ駒を並べてみたが、あくまでもそれぞれの駒師がどんなアプローチで巻菱湖に接して挑んでいるのかを考えるだけなので、お許しあれ。


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    まずは竹風工房の巻菱湖。工房が菱湖出身の地であることもあって、原書体に最も近いと言われる特徴があるようだ。

    DSCN1303.jpg
    続いて由進(出石)作の龍山形巻菱湖。由進作となると、書体に整然とした凛々しさが漂う。由進の特徴でもある。               

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    そして、粋鏡庵にある影水作巻菱湖。多くの駒ファンが、影水独特のある種絵画的な書体に魅了される。没後に残した影響力は、今でも駒師たちを呪縛して止まない。


    こうして並べてみると、どれがどうだとは言えない。人は様々な環境で、様々な趣向や思想を抱いて生きている。当然、何を持って良しとするかという美感も、人それぞれだ。

    作品として世に問うレヴェルに達したアートであるならば、そこから先は受け手の側の好みとなる。好みなら、いい作品と言われるし、そうでなければ見向きもされない。勿論、無知で関心すら抱かないという場合もあるが。

    これが商業主義に染まると、中間権威者を敢えて作り出して、人心の誘導を図るようにもなるが、それはあくまでも売らんがための策略である場合が多い。だから騙されず、きちんと自分で判断する学習が必要になるのだ。

    良い作品の駒を求めて上を向いたらきりがない。下を向いたら後がないが、泣いて泣いてたまるかよの精神で、勉強して自分を磨けば、必ずいつか好みの作品に出会えるものだ。さらに言えば、10年後、20年後に突出するであろう才能を見出して、今から手にしておくことができれば、それは最高の幸せとなるはずだ。今ならかなりの情報に触れ合うこともできる。情報を取捨選択して、自分自身の勉強を照らし合わせ、その作家の未来に賭けてみる醍醐味を楽しむ喜びこそが、受け手が得られる最大の贅沢なのではないだろうか。

    どんな作家でも、駆け出しの頃は純真で一途に自らの作品に賭けているものだ。ただ現実は残酷なことに、プロの扉を開けて地熱を高めていたとしても、そこから先には本当の資質が問われてくる。それは未来に作品が耐えられるか否かということでもある。やがて未来に翔いた名工たちの作品も、駆け出しの頃にはおそらく安価であったろう。まだ海のものとも山のものとも判らない駆け出しの頃から、多少巧いということを頼りに高額な値付けに走る人間は、作家ではなく商売人でしかない。価格というのは、実は受け手が決めていくものである。これだけの作品には、これだけの代価を用意しなければ申し訳ないと。そうなったときから作家の自立が始まっていく。

    私の場合、評価のキーワードは、「凄い」である。「巧い」より「凄い」を好む。「巧い」は時代の消耗品だが、「凄い」は、未来に耐えられる。凄くなければ、時間の重みに負けてしまうのだ・・・。

    ふとそのとき、こんな巻菱湖があることに気づいた。残念ながら、一つは現物ではなく名品の写真で、もう一つは小型の根付けだが。

    奥野作菱湖 R氏所蔵
    R氏所蔵の奥野作菱湖。(R氏には、以前に駒写真を使っても良いとメールで了承していただいている。感謝します)

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    小さな根付の彫駒。蜂須賀作巻菱湖。影水形を彫りで決めている。


    いやはやたまには変わったことをやってみるものだ。並べてみると、それぞれの駒師の巻菱湖へのアプローチが少しづつ解き明かされてくるようだ。
    やはりこの後は、自分自身の勉強でどれが好みか決めるしかない。

    まあ、裕福なら全部集めてその日の気分で使い分けるなんてこともできようが、そんな成金趣味的手法は、はっきり言って邪道です。(やっかみかも・・)敢えて、絞りに絞って一組を最良の友とする。そんな美意識でこれからを生き抜いて行こうじゃないか。はて、さて・・・。

    本日は、巻菱湖のお勉強タイムでした。









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    category: 将棋駒

    thread: 極私的将棋駒の快楽  -  janre: 学問・文化・芸術

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