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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    大雪6日目の現況 

    (冬の陽光を受けて何事もなかったように静かに佇む武甲山。現在気温5℃)


    昨日は、いろいろと頑張らざるを得なかった。

    いや、誰かのためというよりも、どうしても体を温めるウィスキーを一杯と、心を鎮めるタバコの1本が我慢できず、その為には、何とか雪からの脱出を図らねばならなかったのだ。陸の孤島状態の孤立は、道の寸断によって、町から意外と近い場所でも起こる。深山幽谷の山中だけが孤立場所ではない。田舎では、住民の高齢化と過疎化が拍車をかける事にもなる。

    とにかく3人家族総出で(私は役立たずだったが、多少IQは低いが気と腕力だけは自信のある屈強なつれ合いと、それなりのIQで不満をこぼしがちの息子がいる)、何とかここまで道をつけた。午後には、私の住まいから少し離れた処に住むU氏も参加した。U氏もこの坂を車で通るからじっとしてはいられないのだ。でも・・・。

                    DSCN1187.jpg

    坂上に繋がる道には、夕方までに除雪が入ったが、この坂の状態では、まだとても車は乗りだせない。

    ならばと、2時を過ぎた頃、私はダウンジャケットにスノーブーツの出で立ちで、リュックを背負って、とにかく山を下りることにした。帰りのことは敢えて心配しなかった。心配したら動けない。ぐるっと遠回りすれば(5㎞程だ)、何とか除雪の入った道を辿って行けるらしいとの情報は得たので、悪い脚を引きずりながら、ともかくも歩き出した。

    15分ほど歩いた頃、後ろから米車の4駆が追いついてきた。雪の上を這い上がって避けようとすると、窓が開いて、
    「どこまで行くんですか?」
    と声が掛った。これまで話したことはなかったが、近くで柴犬を飼っているNさんだった。機転をきかせて除雪の入る道に車を置いていたらしい。
    「何とか町まで行きたいと思ってるんですが・・」
    「乗りませんか?これから買い出しに行きますから」
    車には灯油缶がのっていた。私は、神様に出会ったような気がした。
    「では、この雪に免じて遠慮なく甘えさせてもらいます」
    本当に助かった。それから、狭い除雪路での対向車とのすれ違いや、まだ1車線半しか開通していない国道の通行に時間がかかったが、それでも30分ほどで町の目的地に着いた。途中ですでに国道を6kmほど歩いてきた若者にも声を掛けて、Nさんは車に乗せもした。これまで外見しか知らなかったが、優しい人情の人だった。

    お礼を言って車から降りたが、町の歩行路はまだ雪が多く残っていて、スムーズには歩けない。でも銀行にも、ドラッグストアにも寄れて、私の目的はタバコを残して完了。

    その後セブンイレブンに寄った。何と棚に数種類の弁当が並んでいた。この企業の底力を改めて知らされた。凄いと。

    そのまま帰ろうとしたが、背骨を手術している私には、やはり重いリュック(スコッチウィスキーが1本と多少の食料品が入っている)が少し歩くと背中にきついのだ。家までもちそうにない。

    考えて、臨時休校中の息子に電話を入れた。「ヘルプ ミー」と。

    息子は「あれだけ強気に一人で出かけたのだから最後まで責任を取れ」と言いはしたが、根は優しい。ここまで迎えに来てくれることになった。

    それから1時間、私は店の前に置かれた椅子に座ってタバコを燻らせながら息子を待った。ついでにスポーツ紙と150円のラージホットコーヒー(初めて飲んだが意外なほど満足感があった)を購入した。

    最短距離のルートでは、どうやらまだ途中までしか除雪が終わっていなかったらしい。「除雪のない数百mは雪まみれの匍匐前進だった」と冷えた体で迎えに来てくれた息子は言った。「本当に迷惑オヤジだ」ともブツクサ言ったが、それはまあいつものことだと、私は心を広くして聞き逃した。?・・。

    リュックを手渡して、家に帰りついたのは2時間後だった。うん、こんな体験もなかなかない二人だけの想い出となるだろう。

    その夜、久々に(2日ぶりだった)ショットグラスのウィスキーを飲み干して、熟睡した。ホッと安心できた・・・。


    一夜明けて今日、私の家から下に向かう道はまだこの状態だ。

                   DSCN1188.jpg

    この道の先には、定年を迎えて移り住んだ老夫婦と、U氏の若夫婦の2世帯が常駐している。U氏の処には確か5歳と1歳の子供たちがいる。

    互いに声はかけ合ってはいるが、早く何とかしないとと、だんだん気が焦ってくる・・・。




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    category: 異化する風景

    thread: 異化する風景  -  janre: 学問・文化・芸術

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