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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    やればできる!2冠達成メイショウマンボ&武幸四郎~2013秋華賞 

    2013秋華賞②phot by Ishiyama(phot by 石山勝敏)


    レース後のインタビュー。武幸四郎は、あくまでも謙虚にレースを振り返った。

    「・・人(自分のこと)も、ひと夏を過ぎて大人になりまして・・」
    「馬の調子が良いのは判ってましたから、下手な細工をしないで、馬の力を信じて乗ろうと・・」

    その言葉の通り、武幸四郎は、メイショウマンボにとっての正攻法の競馬に挑んで、オークスに続いて2冠を達成した。

    2着は、兄武豊騎乗の上り馬スマートレイアーが最後に追い込んで確保し、武兄弟のワンツーフィニッシュが実現したが、JRAG1戦においては、これは初めてのことだった。あれだけ武豊がG1勝利を重ねているのに、幸四郎の2着はなかったのだ。春の桜花賞ではデムーロ兄弟が先に実現していたから、秋になってようやく武兄弟が追いついたことになる。これで武幸四郎も、ようやく胸を張れるというものだ。

    馬の状態が良かったにせよ、秋華賞の武幸四郎の騎乗は完璧で、隙のないものだった。中団後方から迫力を持って差すメイショウマンボの魅力を引き出した。

    1枠1番の武豊スマートレイアーがスタートのタイミングを狂わせ、内田博幸デニムアンドルビーもやはりいつもの通りひと間スタートが遅れて、そのため向こう正面では、中団外にメイショウマンボ、それをマークするようにデニムアンドルビー、さらにその2頭の動きを見逃さぬように武豊スマートレイアーが続いた。有力3頭が隊列を組んで、さてこれから何が起こるのかと興味を引いた。

    前半5F58秒9で逃げたビーナストリックが早いペースを創ったが、有力3頭にとってはポジションを考えると丁度良いペースだったろう。

    残り5F(1000m)から、直線の短い京都内回りのコースを意識して、内田博幸デニムアンドルビーがまくり戦法で前に進出を始め、武豊も一瞬仕掛けを遅らせながらも追走した。

    残り4F標辺りからの1F(200m)。デニムアンドルビーが前にいたメイショウマンボに並びかけて行く。

    秋華賞は、ここからの200mで実は決着していたのだ。

    並びかけてさらに加速して行こうとする内田博幸の意図を、武幸四郎はメイショウマンボを外に張り出させて打ち砕いたのである。

    2013秋華賞マンボルビー(最外の葦毛が武豊スマートレイアー、その内に内田博幸デニムアンドルビー、その内に武幸四郎メイショウマンボ。外に振ろうとした意志が伺える。GCTV画像より)

    これこそが競馬なのだ。手をこまねいていては負ける。負けたくなければ、相手を不利にする方策に挑み、少しでも自らを有利にすることを図る。勝負の本質がそこにあるし、それは時速70㎞の馬上での格闘技なのだ。だから面白い。この瞬間に一瞬怯んだデニムアンドルビーは、前走ローズSのような豪快さを失った。

    勝負の本質(それはあらゆるスポーツに共通し、また囲碁や将棋にも共通するだろう。だが所謂ゲームには不在するものだ)を理解したとき、初めて競馬が面白くなる。それが、この秋華賞には顕著に出ていた。だから面白かった。

    こんな勝負に勝ち切った武幸四郎は、おそらく真の意味で自らが騎手である喜びを得たのではないだろうか?もしそうなら、これからの武幸四郎は改めて怖い騎手存在となるはずだ。期待したいものである。

    それにしても、記念すべき口取り写真の撮影のとき、かつて名ジョッキーであった父武邦彦が、照れ臭そうに喜んでいた表情が何とも言えず微笑ましかった。彼にとっては、幸四郎はいつまでも心配すべき4男坊であるのかも知れない。武豊はほっておいても格調高く自分の道を歩んで行く安心があるが、まだまだ幸四郎には、そんな気持ちになれないのだろう。でもそれももはや時間の問題だと、秋華賞を見終えた私は、そう思っている。


    2013秋華賞①photo by Ishiyama   2013秋華賞③phot by Ishiyama(phot by 石山勝敏)



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    category: 競馬

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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