Admin New entry Up load All archives

    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    エアグルーブよ、永遠なれ 



    ついさっきニュースを知った。

    昨夜、オークス・天皇賞馬エアグルーブ(父トニービン×母ダイナカール)が死んだ。

    キングカメハメハの牡馬を生み落した直後、出産後の内出血によって命を絶ったという。ノーザンファーム代表吉田勝巳によれば、名牝エアグルーブの遺児は素晴らしい牡馬であるという。最後までエアグルーブは、気品を保ったサラブレッドとして存在し、そして旅立ったのだ。

    思えば、この馬の活躍が、私と伊藤雄二元調教師を結び付け、それが、今でも知る人が名著と褒めてくださる「調教師伊藤雄二の確かな眼」として4冊の単行本と2冊の文庫本に結晶していったのである。同時にこの馬は、全盛を誇った当時の騎手武豊に華々しい彩りを添えてもいったことは、論を待たない一つの競馬史だった。 DSCN0864.jpg


    今、いろんな取材シーンが、私の脳裏に駆け巡っている。空港牧場で骨折休養中にその頬を撫でたこと、JC直前の伊藤雄二の引き締まった表情、年度代表馬となって年が明けた大雪の日にニューオオタニホテルで行われた記念パーティ、引退して繁殖馬となり伊藤雄二調教師と連れ立って見た初仔(後のアドマイヤグルーブである)・・・。他にもいろいろな光景を目にしてきた。いつも隣には、伊藤雄二調教師がいた・・・。

    エアグルーブの死は、間違いなく日本の競馬の尊い宝物の一つを失くした事実を、私たちに突きつけてくる。だからこそ、その喪失感は重く深い。ましてや、私は、管理した伊藤雄二調教師の傍で2人3脚の態勢を組むように、長い時間をかけて原稿を書き綴ってきたのである。私の競馬原稿世界の、大きなメルクマールを失った寂しさに、ただただ意気消沈している。おそらく今、伊藤雄二元調教師の心境も同じものだろう。寂しくてもの哀しい。哀しくて寂しくて、言葉を吐くのも辛い・・・。

    でも競馬の弔いは、競馬でしかできやしない。週末の春天皇賞。母を失くしたフォゲッタブルの激走を見守ってみようか。相手筆頭は、ゴールドシップ。仮想敵(ライバル)とするには、まさに相応しい相手ではないか・・・。

    今はただ、空に向かって、エアグルーブに、こう語りかけよう。

    「エアグルーブよ、お疲れさん。もう大丈夫さ。君の血はサラブレッド400年の歴史の中に、もうすでに確かに刻まれているのだから」と。

    4年後の日本ダービー。昨夜生まれて、その日に母を失くした遺児(父キングカメハメハ)が、乳母に育てられて逞しく成長した姿で、大観衆の涙腺をもろくする活躍を果たすことを祈っておこう。いや、きっとそうなるんだ・・・。

          DSCN0863.jp<br />g 天皇賞「調教師伊藤雄二の確かな眼」より (写真:K.Ishiyama)



    関連記事
    スポンサーサイト

    category: 競馬

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

    CM: 0 TB: 0   

    コメント

    コメントの投稿

    Secret

    トラックバック

    トラックバックURL
    →http://0417jun.blog.fc2.com/tb.php/257-73dc4f01
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)