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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    阪神・大阪杯・芝2000m~世界の名馬オルフェーブル 

    3月31日。阪神競馬場「大阪杯」芝2000m。

    この日、前夜ドバイで行われた「シーマクラシック」に出走したジェンティルドンナの2着好走が伝えられていた。

    今、牡馬と牝馬の世界最高峰クラスの両馬を、私たちは身近にしている。

    種牡馬サンデーサイレンスが日本に導入されてから、ちょうど20年。その時間こそが、日本の競馬が、頂点へと階段を駆け上るために費やされた時間となった。

    その結果、 今や日本の競馬レヴェルは、かつての極東の、種牡馬の最後の漂流地から、サンデーサイレンス系の血脈が裾野の果てまで活きずく世界最高峰の競馬の聖地となったと言っても過言ではないだろう。

    サンデーサイレンスの功績は、良質な産駒のみならず、種牡馬としての歴史的大成功で、莫大な資本を再投資できる経済効果を生み成したことだろう。それが、結局は社台グループの躍進の原動力ともなって、生産された世界トップクラスの馬たちが、次々と海外制覇を具体的に目指し、その好結果が、また産駒のレヴェルアップとなっている。死して後、すでに産駒は孫の代になっているが、その血脈の繁栄はいささかの揺らぎも見せてはいない。

    現時点でのシンボル的存在が、オルフェーブルであることは論を待たない。

    そのオルフェーブルが、昨年秋のJC以来、今シーズン初めて出走して来た。大阪杯は注目の1戦となった。

    秋凱旋門賞制覇に向かう大仕事が、今年のオルフェーブルに課せられた夢だ。そのためにこれから何をどうして行くのか?その詳細を決めるためにも、世界の強豪としての威厳と権威に満ちたレースを見せつけなければならない。そんな使命と義務を背負って、オルフェーブルはターフを駆けるのである。

    「オルフェーブルは、今、世界で一番強い馬」と、騎手池添謙一は言って憚らない。だからこそ、今シーズンのクラシックレース参戦を捨ててまで、ただオルフェーブルと凱旋門賞を闘うために、それに相応しい騎手であるために、これからフランスへと修行鍛錬の遠征をするという。

    であるなら、池添謙一はオルフェーブルの強さをきっちりと見せつけるようなレースをするに違いない。そしてそれこそが、競走馬オルフェーブルにとっても心地良いものになるだろう。

    パドックに姿を現したとき、オルフェーブルからは、昨年のやんちゃな素振りが消えていた。あの阪神大賞典と春天皇賞の常識外のレース振りは、今想い出しても衝撃的だったが、ずいぶんと大人になって、張り詰めた緊張感を発して、威厳を保っていた。これなら負ける筈がないと、私は信じた。

    今週もグリーンチャンネルの最終追い切りを見て、私は相手をエイシンフラッシュ1頭に絞っていた。そう1点勝負である。

    オルフェーブルの勝利を祝福するのは、最後まで追いすがるもう1頭のダービー馬であるべきだと考えたのだ。勿論、最終追い切りの気配も私には良く見えた。

    昨年の大阪杯の覇者浜中駿ショウナンマイティも、G1の大舞台でそれなりの好走を続け、今回は戸崎圭太とコンビを組むダークシャドウも、オルフェーブルを破ってJCをも制した3冠牝馬ジェンティルドンナを秋華賞でハナ差に追い詰めた内田博幸ヴィルシーナにも関心が沸かなかった。

    ただエイシンフラッシュは、手応えに安心して正攻法の横綱相撲のような競馬をすると、ゴール前で何故か伸びない馬である。馬群の中から突き抜けさせるような競馬をすると力を発揮するタイプなのだ。騎手C.デムーロは、兄ミルコ.デムーロに
    その辺りのことは確かめているだろうと、勝手に信じていた。

    スターティングゲートを、スッと出て、そのまま後方4番手あたりの外のポジションを確保した池添謙一オルフェーブル。前を行く各馬を意識することなく、ただ自分の世界を保って、レースの前半戦を進めた。

    そして、第3コーナー手前残り5F(1000m)を過ぎてまもなく、勝負の間合いを測るように外から捲り上げて行った。

    無理に動いているのではなく、当たり前のことをごく自然にこなしているような様子だったが、第4コーナーでは、もうすでに先行馬を確実に射程に入れていた。DSCN0849_convert_20130409091257.jpg

    一瞬先に抜け出したC.デムーロエイシンフラッシュだったが、その騎乗は、危惧した通り正攻法のものとなってしまった。これでは、エイシンフラッシュはゴール前に何かに差されるに違いない。

    前半5F61秒のスローな流れをものともせず、2000m1分59秒フラット。上がり3F は、楽な手応えで33秒7。もしこれで完調に仕上がったら如何ほどの強さなのかと、観る者を唸らせるレースだったことが数字に表れている。

    オルフェーブルは、馬場の中央をまっすぐに伸びて、あっさりと勝った。実況アナウンサーが大声で叫んでいるのが不思議なほど、盤石のレース振りだった。やはり世界最高峰に君臨しているサラブレッドは違った。

    ゴール直前に、第4コーナーで私が予想した通りエイシンフラッシュは、追い込んできたショウナンマイティに交わされ3着。私の大阪杯1点予想は潰えた。
    DSCN0850_convert_20130409091402.jpg(TV画像から)インに外から差されるエイシンフラッシュ


    かに思えたが、まだ続きがあった。

    10分後に行われた中山のダービー卿CTで、何と息を吹き返したのである。

    この日、前半のレースで騎手生活600勝を達成した騎手松岡正海のインタビューを聞いたのは昼過ぎだっただろうか。

    この日、600勝を迎えた松岡正海は、これからの抱負を聞かれて、

    「今日は家族を競馬場に呼んでいる」
    「この後、メインの重賞は1発を賭けて乗ります」

    と、答えたのだ。

    今、関東の若手騎手の中で、ゴール前に狂ったように激しく没頭して馬を追えるのは、この松岡正海が筆頭である。

    これまでにも「レースで一度は見せ場を作るのが、ファンに対する騎手の責任」などと語ってもいる。

    その瞬間にふと閃いたのである。

    「その気風や良し。そうならここはひとつ応援するぞ!」と。

    で、大阪杯の1点勝負に加えて、松岡正海トウケへイローから馬連3点を少々押さえておいたのだ。

    C.デムーロは勝負の綾で3着に敗れたが、先行馬に乗った松岡正海は、勝負の綾を自ら創って勝ち抜いたのだ。好騎乗だった。

    だったら何故、馬単にしないのか?って。いや、それなりに競馬の怖さを理解できる私には、馬連で充分なんでございます。

    結局、この日、私は世界のオルフェーブルと、勝負師松岡正海を堪能して、負けはなかった。

    遊んで浪費がないというのは、実質は大きなプラスだ。だって、来週の桜花賞にも無理なく参加できるのだから。

    それにしても、最近また競馬が面白くなってきたのは何故だろう?私の心が、どこかまた競馬に向かって開き始めたのかも知れない。でも、それが良いことかどうかは、ダービーが終わってみなけりゃ判りません・・・。
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    category: 競馬

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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