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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    大失敗~何かおかしい武山銘彫駒 

    DSCN0658.jpg

    どうやら私は、大失敗したのかも知れません。いや、悪意に嵌められたのかも知れません。

    先日手に入れた武山銘のある錦旗彫駒のことです。

    ここしばらく頭の中は原稿の事で飽和状態でした。駒のことを考える余裕もなく、ただ武山作の駒を手に入れられた嬉しさだけを感じていました。

    いまだ武山の彫駒を実見したこともなく、ただただ貧窮の中から良い作品を生み出そうと努めていたという天童の駒師武山=森山慶三のイメージを追いかけていたのです。それが甘かったのでしょう。

    今日、たまたま機械彫の駒と言われるY山の駒を画像で見かけました。これまでは目指すものが違うとじっくり見たこともなかったのに。

    するとどうでしょう。私の入手した武山と銘が入っている駒とほとんど同じだったのです。

    正直、やられたと思いました。よくよく思えば、私は武山の銘も画像でしか見たことがなく、信じる根拠は何も持ってはいなかったのです。誰かが、悪意を持って「武山作」と銘をそれらしく彫ったなら?・・・。

    そうです。私などはそれを簡単に信じてしまうことになります。

    彫り跡も、筆使いのままにスーッとうねるように鋭くきれいに彫られていて、とにかく武山の駒を手に入れられたと思い込んでいましたから、少しも疑っていませんでした。やはり素人なんですね。情けない。

    思い込んで、信じてしまっていると、疑問など持ちません。

    そのとき携帯が鳴って、出ると某駒師からの忠告の電話でした。

    「思い込んだが100年目。信ずる者は救われないんですよ。あの駒は、機械彫です。彫り跡を見れば一目瞭然ですから」

    「・・・あ、あぁ・・・」

    私の心はシャッターが降りて、いっきに暗くなりました。冷や汗がどっと流れ出します。

    機械彫りと見まごうような彫技・・・そんな言葉にすがってみても虚しい状況でしょう・・・。

    Y山の駒を見てしまった辺りから、何となく胸騒ぎがあったんですが、もはや取り返しがつきません。しかも思い込みがあった私は、自らのブログで、この駒を褒めてしまってもいたのですから、なにおか況やです。

    その昔、関西の著名な駒収集家が、晩年になって、
    「最高の駒は、○○の機械彫り」
    などと言われたという話を、どこかで見聞きした記憶がありますが、それは高齢で少し脳に障害が生まれてからのことだったそうです。

    でもまだ私はひよっこなのに、どうやら機械彫りの彫駒に味があるなどと、知ったかぶってしまったようです。

    哀しくも恥さらしな結末となりました・・・トホホ・・・。

    皆様、お許し下さいませ。

    今回の教訓です。
    機械彫りに騙されるな。今の技術は並みの駒師の作品より精度が高いぞ。
    ただ縦横の彫の線が一定で単調なら疑え。
    知らぬままにイメージを追っかけて、余分なことに手を出すな。
    格安という判断が誤りの元。
    勉強して出直せ。
    悪意は、思い込みに忍び寄ってくる。

    そしてこれは私だけの教訓です。
    私は、どうも天童の駒と相性が悪い。ならばもう、天童の駒など欲しがりません、学びきるまでは。これからは、江戸っ子気質で出直します。

    でも、江戸っ子の粋を買おうとすると、うん、やはり資金の問題があるんですよね・・・どうしよう・・・。

    ※その後知ったんですが、どうやら武山という作名は、天童の「武内王将堂」に帰する名であって、森山慶三はそこに納品するときに武山を名乗っていたようです。彼の生きた時代は、まだまだ盤駒商の配下でしか駒師は生きていけない時代でした。それを知ると余計に、武山森山慶三の歯ぎしりするような無念の思いが伝わってきます。
    それにしても、機械彫りの武山が売られていたとは・・・。私も今、無念の歯ぎしりをしています・・・。
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    category: 将棋駒

    thread: 極私的将棋駒の快楽  -  janre: 学問・文化・芸術

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