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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    決戦飛車落ち戦~大内9段VS吉岡出石 

    11月25日。
    遂に決戦の時が訪れた。

    4月に「お好み将棋道場」の対局で佐藤康光9段に圧勝した出石に対して、棋譜を見た大内9段から、「次に上京したときには、ぜひ私と1局指しましょう」と嬉しい提案を受け、その言葉通りこの日、対局が実現したのである。

    出石、竹井粋鏡、それにカメラマン石山勝敏と私は、昼に西日暮里に集合して、「若松」の蕎麦を身を浄める精進料理としてたいらげ、決戦の場である神楽坂に向かった。          若松 もり蕎麦

    午後3時。玄関でインターフォンを鳴らすと、九州佐賀から帰ったばかりの大内9段が笑顔で迎えてくれた。大内9段は、竜王戦第4局の立会を務め終えた後、そのまま将棋大会の審判を頼まれた佐賀に廻り 、出石との対局に合わせて帰京してくれていたのだった。

    自らの手でお茶を入れてくれた大内9段に、まず私は伝えなければならないことがあった。生涯第3作目の手習いとして、私は「大内書怒濤流」書体の駒を私自身の使用駒として9月から作っていた。だから、きちんと許可を頂こうと考えていたのだ。
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    まだまだ我流で、下手くそな駒なのだが、大内9段は快くOKしてくれた。

    「私にも朗報があるんですよ」と、次の瞬間大内9段が言った。来年1月27日にNHKアーカイブスで、世界の縁台将棋をテーマにした大内9段出演の番組が再び放映されることになったのである。こんな番組が、将棋界にとって必要なのは間違いない。私たちは皆、それは素晴らしいことだと頷き合った。

    そして、和室に対局場が用意され、遂に対局が始まった。

    DSCN1660.jpg    DSCN1665.jpg

    DSCN1668.jpgこの辺りが、本日の勝負処である。下手出石がどう攻めを続けていくか?攻めが途絶えると、すぐに攻守を変えて上手が襲いかかってくる。

    DSCN1675.jpg今日の大内9段は、将棋の厳しさを教えようとするかのように真剣だった。

    DSCN1670.jpg大内9段の圧迫感に怯むことなく、出石も食らいつこうとしていた。

    この日、出石が自ら持ち込んだ駒は、薩摩黄楊盛上げ「大山書」。何と棋士を相手に無敗神話を誇る出石とっておきの自作駒である。勝負パンツの様な決意に満ちていた。
    石山勝敏が、初めての対局風景をカメラに収めて行く。対局の緊張感が興味を引き起こしたようだった。

    2筋から、と金を作ってという出石の作戦が、どうも成り角の捌きに誤算があったようで、大内9段が受け切って、これから成り角を引いて9筋からの攻めに入ろうとしていた。すでにこの辺り、出石は今日の敗戦を覚悟していたようだった。
    見守る私たちにも、駒が弾けず困っているような印象が生まれていた。

    DSCN1676.jpg

    そして、このまま上手の押しつぶす様な駒捌きとなっていった。
    出石、無念の敗退・・・・・。

    その後は、丁寧な感想戦から、食事会となり、9時前に散会したのだった。

    私と出石は、竹井粋鏡の好意で、そのまま練馬の粋鏡庵ホテルに行った。10時半頃には、出石は疲れていたのか、緊張から解放されたのか、或いはここ3日でおよそ3升の酒を飲み干した疲労感からか、一人先にすぐに眠りについた。が、隣室で語り合う私と粋鏡に聞こえるように、今日の将棋の反省をいろいろと寝言で語っていたのが面白かった。練りに練った作戦で、大内9段に返り討ちにあったのが余程悔しかったのかも知れない。

    でも、それにしても面白い1日となったのである。

    明日26日、出石は八幡浜に帰郷し、たぶん私はまた原稿を書き始めるだろう。
    祭りの後は、現実が待っている。

    ps:石山勝敏から、対局写真が送られてきた。カメラマンの眼を通すと、決戦の対局風景はこういう世界となるのだ。

    MG2181.jpg   MG2197.jpg
    MG2205.jpg   MG2239.jpg(終局近くの図。上手はいっきに圧力を加えた)
                            (写真:石山勝敏 www.ishiyamakatsutoshi.com/











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    category: 異化する風景

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    マイルチャンピオンS~京都1600m 

    埴輪馬

    いやいや、恥ずかしながら今回のマイルCSの流れ、展開は、完全に読み違えていた。

    和田竜二ホウライアキコの体調が良過ぎたこともあったろうが、ここまで推理が狂うと、逆にすっきりとした思いにかられる。

    如何にマイル戦であろうとも、レース前半の5F(1000m)が56秒7。先行する3歳馬浜中駿ミッキーアイルが2番手で心地良く(?)追走してしまったこともあって、この格別なハイペースが刻まれた。

    人気になっていた馬たちに乗る騎手たちにしても、これほどに流れていくレースになることを読み切っていた騎手たちが果たしてどれほどいたのか知りたいものである。

    直線半ば。秋山真一郎グランデッツアと福永祐一フィエロが抜け出して、勝者はどちらかだと、皆がそう思った瞬間に、去年の3着馬岩田康誠ダノンシャークが襲いかかってきた。ダノンシャークは4コーナーを廻ってからインを忍者のように攻め上がって来ていたのだ。

    ゴール地点での岩田康誠の手綱捌きは、素晴らしかった。
    ゴールの瞬間、岩田康誠は両腕を伸ばし切って、ダノンシャークの頭が下がるのを止めていた。ダノンシャークは岩田康誠によって、頭を前に伸ばしたまま耐えきった。この必殺技が、勝敗を分けた。同時に今の騎手岩田康誠と福永祐一の技量差が如実に出た瞬間となった。

    私はそのとき、かつての第30回スプリンターズS(1996)の田原成貴フラワーパークと熊沢重文エイシンワシントンの1cm差のゴールを想い起していた。あのとき田原成貴はやはりフラワーパークの頭と首を伸ばし切っていたのだ。それが騎手の最終最後の勝負を決める必殺技と教えられたのである。

    岩田康誠は、もはやそんな必殺技を決めるだけの騎手であると知っておこう。

    こうして私のマイルCSは終わった・・・・。

    加えて先週は、2つの印象的な出来事があった。
    ひとつは騎手後藤浩輝の負傷からの復帰である。頚椎を痛めたから(もう一度傷めたらと)まだ心配はあるが、精進して欲しい個性的な騎手である。
    もう一つは、24日の京都最終レースで先頭に立って左ムチをあてた瞬間、馬がいっきに右に斜行してそのまま内ラチに激突したルメールの事である。大きな怪我でなければいいのだが・・・・。
    騎手が確かに命を賭けて騎乗していることを、朗報と悲報で、改めて思い知らされたのだった。




    category: 競馬

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    影水3態~錦旗・水無瀬・菱湖 

    機会を得て、影水の盛上げ駒をじっくりと眺める機会を得た。

    どれもが、毅然として影水の魅力を発散している。

    世の中には、いろんな影水評が囁かれているが、私自身は眼の前にある駒が、きちんと何かを語りかけてくれるなら、それは素晴らしい作品と受け入れることを心掛けている。魅力ある駒は、見る者に必ず何かのオーラを伝えてくれるものだからだ。

    かつての駒世界は、作者名を語りながらも下職の作であったりする場合があることを知ってからは、特に伝わってくるニュアンスを嗅ぎ分けることが大事だと思うようになった。例えば、香月や木村作の廉価な作に感じるのだが、彼らにしても、本人の<気>を込めた所謂渾身の作品は、凄味がある。香月作の駒にしても棋士の手元にあるような作は、一般に流通していた駒に比べて段違いの品位を保っている。(個人的には、そのやり方が好きではないにしてもだ)

    おそらく名工中の名工の真作なら、そのときどきの「これがオレの駒だ!」という主張が込められていると信じたい。
    一個の人間が、それほど器用に作品のレヴェルを使い分けるとは思えないのだ。

    そんなことを考えながら、影水の駒を眺めてみよう。

    DSCN1642.jpg   DSCN1643.jpg(影水作錦旗)

    DSCN1645.jpg   DSCN1646.jpg(影水作水無瀬)

    DSCN1649.jpg   DSCN1651.jpg(影水作菱湖)

    やはり、いい物は、時間の経過に磨かれて凄味を増し続け、漆がどうだこうだというような素人の技術論を超越して、その存在感を主張してくる。

    それが輝きになっている。すばらしい・・・・・。










    category: 将棋駒

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    11月22日 夕刻 粋鏡庵にて 

    11月22日、夕刻。

    竹井粋鏡の書斎に、私を含めて5人の男たちが集まった。久し振りの再会である。

    竹井粋鏡、私に、出石一門の3人。出石、それに弟子の清征、杉並のM君。

    清征は、自作の彫り駒「恒圓書」「巻菱湖」を持参した。DSCN1637.jpg   DSCN1640.jpg

    本人は、「まだ65点」と謙遜するが、順調に成長を示している。

    ひと通りの話が済むと、男5人は連れ立って近くの銭湯に行った。東京にもまだ営業している銭湯がある。大人一人460円だった。460円で裸の付き合いができるのだ。お湯の心地良さと相まって、少しだけ幸せな気分になる。

    その後は、当然の酒宴となって4時間が過ぎた。何を話したかは、たくさんあり過ぎて、正直言ってあまり憶えてはいない。
    でもそれが楽しいのだ。

    11時を過ぎて、一人私はダウンしたが、後の4人は酔いに任せて深夜の将棋を楽しんでいたようだった。隣室の賑やかな声を子守唄にして、私は眠ってしまったのである。

    実は、翌23日に佐藤康光将棋教室(ゲストは加藤桃子女王)、24日に飯塚裕紀将棋教室(ゲストは上田初美女流3段)が粋鏡庵で催される予定だった。出石一門の3人は、教室の正会員なので、出石と清征は上京し、杉並のM君は駆けつけるように合流した訳だ。ついでに会場設営の応援部隊役も務めることになる。裏方役がいなければ、どんなイヴェントも成立しないのも自明である。

    翌朝、私は7時半に起床。深夜の将棋を楽しんだ3人が起き出したのは、それから1時間後だった。皆、眠そうな顔をしていた。

    畳の上にずっと座ってはいられない私は、おそらく参加者が多く盛会になることを見越して、10時半過ぎに粋鏡庵を出たが、新たに今日から9月に出石作「新古流水無瀬」を手に入れた習志野のTさんも、駒を持参して会員参加すると聞いていたので、少しばかり気が咎めたが、また会える機会もあるだろうと自分自身に言い聞かせていた。

    だから、その後の将棋教室がどうなったか定かではないのだが、おそらく出石一門の3人が、また昨夜も楽しく酒におぼれていただろうことは想像できる。今宵もそうなるに違いない。

    明日25日は、4月に「お好み将棋道場」で佐藤9段に勝利した出石の挑戦を受けて立つ大内9段との対局が、神楽坂で行われる予定だ。大内9段は竜王戦第4局の立会人を務めたばかりだが、明日は、私と竹井粋鏡が代わって真剣勝負に立ち会う予定である。

    楽しみだ。



    category: 日々流動

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    エリザベス女王杯川田将雅ラキシス戴冠~京都芝外回り2200m 

    埴輪馬

    甲府を1時過ぎに出発。甲府昭和から中央高速、圏央道八王子から飯能へ。まだ紅葉狩りの行楽客が帰る時間ではなく、車の流れは順調で、飯能駅で車を降りた私は、2時過ぎのレッドアローに間に合い、帰宅したのは3時半頃だった。

    すぐに手と顔を洗い、机の前にスタンバイしてTVを点けると、エリザベス女王杯の第4コーナー。

    インから岩田康誠ヌーヴォレコルトが先に抜け出し、その直後から川田将雅ラキシスが、今日は果敢に先行した武幸四郎メイショウマンボを外に弾き飛ばしながら追い込みを決めようとしていた。昨年のメイショウマンボなら逆に内に弾き返していただろうが、そうはならなかった。

    実は昨日、外出の前に、今年のエリザベス女王杯は、ヌーヴォレコルトとラキシスとメイショウマンボの3頭の競馬と決めて、三浦エアハリファと武ワイドバッハで決まった武蔵野Sのプラス分をこの3頭の応援馬券にしていたのだ。残念ながら、武蔵野Sは、6枠に田中勝春フィールザスマートとワイドバッハの2頭が同居していたから枠連だったが。

    ゴール手前の3Fが、11秒5ー11秒3-11秒3。完全に上りの瞬発力勝負となったが、最終最後にヌーヴォレコルトを差し切ったラキシスとの2頭の攻防は、見せ場たっぷりの激しく厳しい<劇>となった。また繰り返された父であるディープインパクトとハーツクライの代理戦争だから、楽しめない訳がない。

    個人的には、2頭を共に勝者にしてやりたいと思う程だった。まだ3歳のヌーヴォレコルトは、これから怪我のアクシデントさえなかったら、来年は主役の座を譲らないだろう。いつか再びあのハープスターとの大勝負を見たいものである。

    慌ただしく過ぎた1日だったが、何となく気分がウキウキして元気を得たような気がしてならなかった。

    こんな日も楽しいのだ。




    category: 競馬

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