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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    駒裏の表情 


    何かと気忙しい師走。気温も上がらず、列島に沿って太平洋を低気圧が北上し、どうやら今夕から、初雪が降りそうです。

    寒く体が冷えると、右脚が硬直して意図せぬ痙攣が始まりますので、身動きもなりません。

    で、机の前でこんな遊びをしてみました。

    表の表情ではなく、駒に秘められた裏側の顔を、じっくりと眺めてみたのです。

    こんな具合でした。


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    先日、あるヒントから思いついて、自分なりの仕上げ磨き「古木風仕上げ」法に目覚めてから、その納得できる成果によって、磨いた駒をいろんな角度で眺めるのが楽しくなってきました。残念ながら、素人写真ではなかなかっその味わいや魅力を正確に写し出せませんが・・・。

    木は、ある時点から、加速度をつけてそれ自体が風情を増して変化し続けます。内側からの変化ですので、しっとりとして心を和ませてくれます。日々どうなったかなと、つい眺めてしまいます。さすがにそんなに早くは変わらないのにです。でもそれは、おはようとかまた明日というような、私と駒との関係をいつも確かめる挨拶でもあるんです。癒し効果のある挨拶でもあるでしょう。

    駒たちも、そんな私の気持ちに応えて、光の加減や眺める角度などで微妙にその瞬間の顔を変えてくれますが、内側から変化した進化の姿はもう以前には戻しません。安心感すら与えてくれます。だから、大事に接する必要があるのです。下手に弄り回して退化させてはなりませんから。この心得だけはいつも意識しています。

    次に声を掛けるのは、夕方でしょう・・・。

       
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    category: 将棋駒

    thread: 極私的将棋駒の快楽  -  janre: 学問・文化・芸術

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    2013秋 サラブレッド 美の世界~石山写真館 その① 

    有馬記念を前に、2013年秋サラブレッド美の世界を展示いたします。
    写真は、全て「石山勝敏写真館」の提供です。(興味ある方は、リンク先石山勝敏HPへお願いします)

    写真を通して、この秋の新しい想い出に浸って下さいませ。




    <スプリンターズS 9月29日中山競馬場> ロードカナロア with 岩田康誠


                          13スプSphot by Kishiyama   


    2013スプS-photbykishiyama     2013スプリンターズS phot by KIshiyama     Kishiyama2013スプリンターズS表彰式photby



    <毎日王冠 10月6日東京競馬場>   エイシンフラッシュ with 福永祐一


                        2013毎日王冠エイシンフラッシュ

                        2013毎日王冠


    <秋華賞 10月10日京都競馬場>  メイショウマンボ with 武幸四郎


                        2013秋華賞③phot by Ishiyama


                2013秋華賞②phot by Ishiyama    2013秋華賞①photo by Ishiyama



    <菊花賞 10月17日京都競馬場>   エピファネイア with 福永祐一


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    ※「石山写真館」さらに続きます。

    category: サラブレッド美の世界~by石山写真館

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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    2歳チャンプ決定戦~阪神JF&朝日杯FS 

    R1R9592.jpg(朝日杯優勝馬アジアエキスプレス phot by石山勝敏)

    JCの日、携帯を落とした騒ぎがあってから、私は何かに祟られているようだ。信じられない状況が続いて、心が折れかかっている・・・。

    12月8日。阪神JF・阪神競馬場1600m。
    いつものように最終追い切りを確かめて、念のためパドックをもしっかりと見据えて、私の出した結論は、大外枠でも、和田竜二ホウライアキコを軸にすることだった。相手は、内枠から、蛯名正義フォーエバーモア、戸崎圭太レッドリヴェール、そして新潟2歳Sで圧巻の追い込みを示した川田将雅ハープスター、今や好みのジョッキーとなって成長している田辺裕信マーブルカテドラル。

    小倉2歳Sで出会い、応援してからデイリー杯2歳Sも1分33秒2の好タイムで連勝していたのが、ホウライアキコだった。サンデーサイレンス牝馬に新種牡馬ヨハネスブルグの配合で、新星誕生かと思い込んでしまったのである。

    ハープスターの飛び抜けた追い込みの実力は十分に理解していたが、心の底では馬連を買うのだから勝たれたとしても、ホウライアキコは2着を確保するに違いないと安心していた。

    それが、とんでもない見極めだったと知らされたのは、ゲートが開いて1分33秒9後だった。

    4コーナーを廻って、3番手から和田竜二ホウライアキコが抜け出した瞬間を狙い定めて、好位4番手にいた蛯名正義フォーエバーモアが襲いかかり、坂に差し掛かると、最後方から馬群をぬって突き抜けてきた川田将雅ハープスター、外から戸崎圭太レッドリヴェールが鋭く伸びてきた。

    残り1F標からの最後の200mは、牝馬のレースらしからぬ大激戦となったのである。

    この地点で、この日のホウライアキコにはもう余力がなかった。やはり大外18番枠が災いとなったか、あるいは前走デイリー杯がピークだったのだろうか?激走の後のレースにはこんなことがある。蛯名正義フォーエバーモアは、直線の入り口で先頭に立とうとしたホウライアキコを、この時点で早めに交わそうとした。ゴール前の大激戦の結果からすると、その騎乗が仇となってしまった。仕掛けは早く、今日の仮想敵を見誤ったと言わざるを得ない。

    坂にかかった辺りからの、レッドリヴェールとハープスターの瞬発力は素晴らしかった。

    私には、久々のレースながら馬群をぬって伸びてきたハーブスターの魅力を、3連勝で勝ち抜いたレッドリヴェール以上に評価したい。このレースができるなら、アクシデントもなく完調に仕上げられたなら、来春の桜花賞を制するのは、やはりこの馬だろう。また今年も牝馬のレヴェルは高かった。

    それにしても、私は下手糞だ。軸馬が敗れ、相手に選んだ4頭の馬たちが上位を独占。さてこの流れが打ち止めとなるのは、いつの日になるのか?あるいは、そんな日はもう来ないのではないかという漠然とした不安が、私の心を支配し始めてもいる・・・それが怖い・・・。



    この日、傷心の思いで、夕方5時から、GCで香港シャティン競馬場の国際中継を見た。

    岩田康誠ロードカナロアが6F戦で何と5馬身差の圧勝劇。2000mのレースでは、武豊トウケイヒーローがゴール寸前まで先頭を守る絶妙な逃げで2着。

    ラストランで世界の頂点に立ったロードカナロアの、これからの種牡馬生活に幸多くあらんことを祈って、私自身の脳裏の中のロードカナロア物語にもピリオドが打たれた・・・。本当に強かった・・・。



    そして12月15日。朝日杯・中山1600m。来年度から阪神での開催となる朝日杯は、今回が中山での最後のレースとなる。となれば、朝日杯と皐月賞の連関は、今以上に希薄になるということなのだが・・・。

    いい処をそれなりに見抜いているという確信から、いつものようにGCの最終追い切りを確かめて、パドックもしっかりと見守った。

    そして・・そして・・・また繰り返してしまったのだ・・・同じ過ちを・・・。

    どうも最近、競走馬に対して情緒的な応援をしてしまう傾向が顕著にあるのかも知れない。

    トライアル東スポ杯2歳Sを見てしまった私は、地方競馬から見果てに夢に挑戦しようとするプレイアンドリアルに、かつての名馬コスモバルクの姿を投影して、思わず応援したくなるのだ。頑張れよと。プレイアンドリアルは、期待に違わず東京の1800mを1分45秒9の好タイムで駆け抜け、首差の2着だった。川崎での最終追い切りも迫力満点の動きで、さらに期待を持たせてくれてもいた。(結果的には馬にとって精神的な余裕を与えない仕上げとなっていたのだろう)

    だから軸馬はこの馬だと決めつけていた。

    で、相手馬だ。ここは冷静にならねばならない。

    まずアトムを消した。阪神JFで負けた牝馬ホウライアキコに負けているからだ。牝馬に負ける鉄腕アトムはヒーローたり得ない。次にベルカントを消した。いかに武豊のG1完全制覇がかかっていようと、騎手時代の角田晃一に私なりの関心を抱いていたとしても、マイル戦の経験がない牝馬が朝日杯で通用するとは思えなかったし、歴史的な怪物牝馬とも思えなかったからだ。

    パドックで最終確認して選んだ相手馬は、まだ少しも底が見えていないライアン・ムーア騎乗のアジアエキスプレス、パドック気配が最も良かった後藤浩輝ショウナンアチーブ、時計勝負ができる和田竜二ウィンフルブルームの3頭。

    軸は、コスモバルクを髣髴させる柴田大知プレイアンドリアル。

    アハハ・・・。悲劇の結果は、もうお判りだろう・・・。哀しい・・・・。

    実況の
    「また、ムーアだぁ!!」
               との叫び声が、私の右耳から左耳へと空しく過ぎっていった・・・。


    どうもプレイアンドリアルには、馬に精神的な余裕がなかったように感じる。スタート直後にも嫌々をするような仕草を見せていたし、弾ける覇気が空回りして発揮できない印象で、これはおそらく調教での仕上げ過ぎと言えよう。次からの陣営の修正点である。

    直線坂下から、インから外に振ってスパッと豪快に伸びたムーア・アジアエキスプレスは圧巻だった。同じ地点で先に先頭に立っていたショウナンアチーブに乗った後藤浩輝の騎乗もしたたかで印象的だった。インで粘った和田竜二の騎乗も如何にもというものだった。先行した柴田大知プレイアンドリアルは坂から伸び切れなかった。

    何という結末!?・・・。

    私だけが、選んだ相手馬が1~3着独占と言う結果に、戸惑い、打ちひしがれ、勝負の神仏を呪わねばならなかった・・・。

    ただ一つだけ言えるのは、前半5Fがおよそ58秒のペースだったのに、上り3Fが36秒1もかかった事実である。チャンピオン牡馬決定戦なら、せめて35秒で上がってきて欲しかったと思う。

    それがこの世代の牡馬の実力なのか、あるいは今の中山の馬場の所為なのか?

    全ては、12月22日の有馬記念で解き明かされるだろう。世界の名馬オルフェーブルのラストランでもある。

    当日は、私も中山に行く予定だ。もう居直って、軸馬を捨てて、相手馬だけの組み合わせに変えようと思っているが、となると、オルフェーブルを消すことになりかねないし・・・。でも何とかこの祟りを、今年中にどこやらに捨てておきたいものだし・・・。おお、悩ましきかな、我が人生は・・・。

    こんなとき座右の銘にしているのが、以前に明治神宮で引いたおみくじ。昭憲皇后の御歌である。

    「茂りたる うばらからたち 払ひても ふむべき道は ゆくべかりけり」

    明治帝の御歌も支えてくれる。

    「大空に そびえて見ゆる たかねにも 登ればのぼる 道はありけり」

    さてさてどうなる?我が2013年のフィナーレは?




    R1R9266.jpg      R1R9282.jpg(写真:石山勝敏)
        



    category: 競馬

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    おお、大発見か!?薩摩黄楊虎斑駒!! 

    駒師清征の話題になったので、もう一つこんな話題もお届けします。

    清征作篁輝書彫埋め駒を、先日、私流の「古木風仕上げ」で、顔を漆でかぶれさせながら磨いたのです。

    そして、数日後、大発見をしました。

    以前から、薩摩黄楊の駒木地には、虎斑は出ないと言われてきました。薩摩黄楊の生育環境が影響しているようです。

    ところが、ところが・・・。

    この写真を、目を凝らして見つめてください。

                 DSCN1113.jpg     DSCN1111.jpg



    お判りになりましたか?

    薄い虎斑模様が出現してきたのです。それも数枚の駒にです。

    おお、これは、通説を覆す歴史的大発見!!などと、一人机の前でほくそ笑みました。

    世の中には、不思議なことが、まだまだ眠っています・・・。

    ついでですから、清征作篁輝書の現在写真も載せておきましょうか。大サービスです。

                  
                  清征作篁輝書 1
                  (まだ届いて1か月ですが、私の「古木風仕上げ」ではこうなります)




    category: 異化する風景

    thread: 極私的将棋駒の快楽  -  janre: 学問・文化・芸術

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    駒師十文字清征からのメール 

    つい最近まで謎の駒師であった十文字清征から、メールが届いた。

    どうやら最新作として天童楷書に挑戦しようとしているらしい。駒師を志した者が、おそらくは誰でも一度は自分自身の力量を確かめようと挑んでみるのが、この天童楷書なのだろう。キチンとしたものは、整理されたエキスに満ちているのかも知れない。

    ただ哀しいかな、清征は、この秋個人的な事情を抱えてしまい、まだ思い通りに進行させることができないでいる。

    左親指を怪我してしまったのだ。指先を4針縫ったという。

    謎の駒師 怪我  この写真では判らないが、


    傷跡2013秋 これならしばらく駒作りができない事情が解る。

    本人は何も言わないが、去年のちょうど今頃、電気ドリルで指の間を抉ってしまった私には、何となく刃物で傷つけたというより、電気機械でやったように思えてくるのだが・・・。痛かったろうなあ・・・。


    で、「篁輝書」の次のテーマであった「天童楷書」の進行は遅れているのだ。左親指を痛めると、彫台がスムーズに送れない。そもそも右手の印刀は彫台の駒にあてがうように使うのが基本だから、どうしようもないのである。

    所有する一平作天童楷書も参考にして、
    一平 天童楷書

    それでも何とかここまでは進めた。

    最新作 天童楷書1-1  最新作 天童楷書1-2  最新作 天童楷書

    左親指が回復すれば、いい雰囲気の「天童楷書」上彫りが出来上がるような予感を持つが、完全に治るまで、まあしばらくは我慢の日々だ。

    でも、考えようによっては、我慢も修行のひとつと言えなくもないのである・・・。




    category: 異化する風景

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