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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    2013春G1石山写真館~その② 

    『ヴィクトリアマイル 内田博幸・ヴィルシーナ』

    130513KI01.jpg   ヴィルシーナ ゴール前は、昨年の覇者蛯名正義・ホエールキャプチャとの、激しい鬩ぎ合いになったが、ヴィルシーナが抜け出した。


    『NHKマイルC 柴田大地・マイネルホウオウ』

    130505Ki01.jpg   130505Ki02.jpg 柴田大地の男の涙が、爽やかな勝利に彩りを添えた。次に嬉し泣くのはいつだろう?



    ※写真家石山勝敏の公式HP www.ishiyamakatsutoshi.com/ です。北海道ユルリ島の野生馬から、アーティスティックなモノクロ作品までが楽しめます。ぜひ一度ご覧下さい。

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    category: サラブレッド美の世界~by石山写真館

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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    ただ今修行中~その② 

    前回、由進のテキストに、杉並のMさんが練習で彫った写真をUPしたが、それを見た由進からすぐに連絡が来たという。
    「Mさん、印刀をきちっと砥いでいますか?」

    電話1本で、Mさんは、印刀を砥ぎ直して再チャレンジ。一応納得できる出来と確かめて、私にもまた写真を送ってくれた。このままでは自分自身を許せなかったから、意地を張ってくれたのだろう。いい根性だ。

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    確かに大きく変化した。少しばかり胸を張りたくなる気持ちも判るというものだ。一度でも印刀を握った経験がある方なら、由進の彫りのテキストの意味するものと、その価値は理解していただけるだろう。誰でも最初に悩ましく思われる彫りの要素がシンプルに詰まっていて、何とか通過すれば、明らかに進歩したことを実感できるようになっているのである。

    Mさんの勢いは、さらに増して、次には駒研で入手した練習用の駒木地で、何と「篁輝書」にチャレンジするという。篁輝書体は、滑らかな曲線も多く、しかも部分的には小さなシマの部分を残して彫る必要もある。おそらく悪戦苦闘の日々となるだろうが、ここを何とか通過すれば、他の書体にアプローチすることが、グンと楽になるらしい。

    そう言えば、由進の1番弟子(自ら名乗りを上げ、交流を深め、今は盛上げ駒にも挑戦している。年末には作品をご紹介できる予定である)の東三河のKさんも、早い段階で「篁輝」作品を通過している。

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    さてさて、字母紙を張って準備されたこれが、しばらくしてどうなるか、若い修行者の未来に幸あることを祈っておこうか。

    Mさん、ファイト、ファイト!!あるのみです。

    category: 将棋駒

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    お待たせしました~石山写真館2013春大公開 

    今朝、カメラマン石山勝敏から2013春G1の写真が届きました。

    まずは、出来たてホヤホヤの日本ダービーからオークス。

    順に遡っていきます。(これから私のブログ競馬編にも入れ込んで行きます)

    的中された方も、不幸にも外れた方も、とにかく、再びレースの臨場感を楽しんで下さい。


    『2013 5・26 日本ダービー』 武豊キズナ

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    『2013 5・19 オークス』 武幸四郎メイショウマンボ

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    今年2013春のキーワードは、『兄弟』でした。日本ダービーは『絆』に収束しました。

    それは、ほぼ単一民族国家である我が国の、ある種の美しさを表していたとも言えます。多民族が集うどこやらの国の、壊れかけた制度に忠誠を誓い、後に追随することが「美しい国」などではないでしょう。人と人が『絆』によって支え合う民の力によって、新たなる国の形を再創造することが、結果的に「美しい国」を生み出すのです。

    本当の『絆』の力の必要性を、ひょっとしたら武豊キズナは改めて教えてくれたのだと、私は今、そう思っています。



    ※なお、写真家石山勝敏公式HPは、www.ishiyamakatsutoshi.com/ です。興味ある方もこれを機会に興味を持たれる方も、一度覗いて見て下さいませ。

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    2013もう一つのダービー~大内9段と一緒に 

    由進作 左馬・幸運駒②

    東京競馬場に着いたのは、11時半頃だった。

    8Fダービールームの6号室が招待された部屋となっていた。喫煙室には遠い馬券売り場の真ん前で、ちょっと息苦しかったが、それでもベランダの椅子席に出ると爽やかな風が吹いていた。

    大内9段は、弟子の田村康介7段の父と一緒に早くに競馬場に到着し、もう馬券を買って楽しんで、いや調子が出ずに苦しんでいた。まだ午前中なのに。

    部屋の中のテーブル席に同席すると、訴えるような表情で話しかけられた。

    「いや、鶴木さんを待ってたんですよ。普段買わないから、馬券がかすりもしないんで。せめてゴール前では当たらなくてもドキドキしたいじゃないですか」

    「そうですよね。せっかくダービーに来てるんですものねぇ」

    私の方が少しは経験値が高く、競馬を理解していると、大内9段は棋士だった勝負感で判断している。だからおそらくは、訊かれるなと思って、昨日から競馬新聞に目を通して予習していたのだ。普段は、重賞と特別戦ぐらいしか目を通さないのだが、まあいいだろう。

    「大内先生、私は難しい馬券は買いませんので、馬連で3・4点流して楽しむ程度ですよ」

    「充分です」

    私たちは、テーブルに新聞を広げてヒソヒソ話で6R から目黒記念までの検討をした。内緒話をする私たちを見て、隣のテーブルに座っていた作家山野浩一が、
    「鶴木君の予想じゃあてにならない」などと、茶々を入れたが、笑顔で返した。

    6Rシンザンカップは、福永ケンブリッジサンから、馬連3点。的中するも配当は420円。ゴールまでハラハラできた大内9段は、それでも嬉しそうだった。

    7Rタケホープカップ。横山典キタサンイナズマから、馬連3点。相手は2着3着とドンケだったが、人気薄の田中勝春が2着で、配当は5260円。大内9段の表情が、嬉しそうからニコニコ顔に変わった。これで私も楽になった。今日のダービー資金を手にしたからだ。誰かがそれなら3連単を買っておけば良かったのになどと言ったが、欲を出して自分のスタイルを崩すとろくなことがない。

    ここでひと休憩と、喫煙室に行こうと部屋を出ると、配当金を手にした大内9段が、そっと私にご祝儀をくれようとする。先生、それはダメですと固辞したが、どうしてもと大内9段も引かない。馬券売り場の前の部屋だから、何をしているかと様子を眺める人の視線を感じて、私は引いた。

    「判りました、それなら遠慮なく頂いておきます、ありがとうございます」
    私は、元気良くそう言った。

    そのまま二人でタバコタイム。
    となれば必然的に将棋にまつわる話となる。私は、いつか聞いてみたいと思っていた話題を口にした。

    「先生、対局中に棋士はいろいろと考えますよね。そのとき、頭の中で盤上はどんなふうに見えているんですか?」

    「駒が絵になって動いていくんです。符号で考えることはありません。絵がどんどん先までスーッと動いていくんですよ。弟子の富岡英作8段などは、あるときどの駒字が一番自分に合った絵になるかと思いついて、私の処にある駒をじっと見ていたこともあったんですよ。黙ってじっと見つめて、うん自分には巻菱湖が合うって言ったんです」

    「とすれば、駒字って思考する上では大事なんですねえ」

    「そうです。その意味では、由進さんの駒は思考を邪魔しない駒字になってますよ。あのNHKで取り上げられてから、私の処にもあの番組を見た、見たという声が届いてますから。あれはいい紹介になったでしょうけど、注文が増えたらどうするんでしょうかねえ?私の頼んである駒も、次に出来るのは夏の終わり頃らしいですよ」

    そのあとに、私は今由進が創っている中将棋の話や、それが小将棋の江戸期安清形に繋がる話や、番組終了後に起こったあるエピソードを語った。

    「うん、一度機会を見て理事会などで話題にしてみましょうかねえ・・これまでにもたちの悪い話はいろいろと聞いているし、将棋全体にとって為になるようにしていくことが大事ですから・・」

    そして私たちは、また競馬に戻った。

    8Rは、武豊ホッコーブレーブから2・3着馬を買って、敗退。

    9Rは、2着松山弘平スーサングレートから3・4・5着馬を買って敗退。岩田康成カナロアを、人気だし同じカナロアならロードが付いていないとなどと偉そうに言ったのが失敗だった。でもゴールまで楽しめていた。

    そしてダービー。これは好きな馬を馬券を買って応援する祝祭のレースなので、結果はマル秘事項で良いだろう。

    11R。私はダービーの余韻で、買うことも忘れていたが、昼の事前予想でチェックしていた3頭が、1・2・6着に入り、馬連1750円。大内9段には渋い的中となった。あれ、そう言えばと新聞を見直して、私自身が3頭に絞っていたことに気づいて、あれれのれ。まあ、しょうがないか。

    12R目黒記念は、岩田アドマイヤラクティから1・3・5・6着を買ってみたが、軸馬が何故かの惨敗ではどうしようもない。

    でもこれから府中「三松」での飲み代は残ったから、良しとしよう。

    途中で、作家吉川良がヨシカワクンの複勝を買って4着だったのを冷やかしたり、古井先生といつもの競馬論をさりげなく交わしたり、矢野誠一先生が夢よもう一度とネコパンチの単勝を持ってニコニコしているのを冷たく見つめたり、素敵な大人の匂いを発散している作家兼俳優大鶴義丹と久しぶりに会って握手を交わしながら奥さんを紹介されたり、息子夫婦に馬券指導する李麗仙を褒めそやしたり、絵描き野口アキラの馬券の不調を慰めたり、いろいろと忙しい一日だった。おかげで、イヴェントにゲストとして招かれていた伊藤雄二元調教師に会いに行くことを忘れてしまったほどだった。残念無念・・。

    でも充分に楽しんで、忙しくもあった一日が、こうして過ぎて行った。

    闘い済んで日が暮れて・・。

    大内9段と別れるとき、こう言われた。
    「私の元に、8代目駒権作の中将棋があります。7月に由進さんが上京したときには、参考までにお見せしますから、必ず寄るようにお伝えください。それにしても楽しいダービーでした」

    「必ず伝えます」
    そう明るく答えて、私たちはいつものように連れ立って「三松」に向かった。これから3時間の大事な宴が始まるのだ。




    category: 異化する風景

    thread: 異化する風景  -  janre: 学問・文化・芸術

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    2013日本ダービー~東京2400m 

    130526Ki02.jpg写真:石山勝敏


    部屋にいると少し蒸し暑さを覚えたが、外は適度に風がそよぎ、絶好のダービー日和となった。

    東京競馬場には14万人の大観衆が集った。

    15時40分にスターターの小旗が振られると、14万人の熱気はウォーッという地鳴りのような大きな雄叫びを響かせ、その中でファンファーレが鳴った。いつも以上の興奮が場内を支配していた。

    15時45分過ぎ。大観衆は、ただ1頭芝コースを引き上げて来る武豊キズナに向かって、ユタカ!ユタカ!とコールを投げかけて、勝者を称えた。それは、ディープインパクト以来8年振り5回目のダービー制覇を成し遂げた武豊と、直線外からまるで父ディープインパクトのダービーを想い出させるかのように豪快に差し切ったキズナへの祝福の大声援だった。

    微笑ましく第80回日本ダービーは終わった・・・。

    ここで書き終えるのも、何か含むところがあるようで、そっけない。以下は、「私自身のダービー」ということで追記していこう。

    武豊が、前走のような後方いっきの騎乗をすることは予想通りだった。上がり3F(600m)33秒5の脚力を、騎手武豊は最大の武器にして、その通り闘って勝利を引き寄せたということだろう。

    レースの決着タイムは2分24秒3。9Rの1000万条件戦で2分25秒1だったから、それなりに時計の出る馬場での標準タイムだったろう。そう思えば、インでもっと粘る馬がいてもおかしくはなかった。とすれば、勝ち馬はともかく、80回ダービーのレヴェルは意外に低かったと、私には思えてならない。

    その原因は?そう考えると、いくつかのことが言える。

    私の見たかった幻のダービーを頭に描いてみよう。

    M.デムーロの騎乗したロゴタイプのレースを見たかった。最後に伸びずに5着に終わったが、もうひとつ先に抜け出してその勢いでゴールを目指した皐月賞のミルコの騎乗がロゴタイプにとって理想だとすれば、弟C.デムーロのこの日の騎乗は物足りなかった。弾ける馬と共に、自らも弾ける騎乗が、桜花賞を勝って以来消えているような印象がある。心をもう一度入れ替えて欲しいと願う。

    横山典弘の乗ったコディーノも見たかった。1コーナーまで掛かって止まなかった姿を見ると、この日のダービーでそうさせないためにどうするかと中山での皐月賞まで精進して耐えていた横山典弘なら、ウィリアムズとはまた違った結果を導き出したはずだ。そう思う。同じように掛かってしまったとしても、乗りなれた分、対処の方法もあったのではないか?今回の騎乗交代には、オーナーサイドか調教師の選択かはまだ判らないが、目先の利を求めたような事実に、大きな不満が残っている。

    エピファネイア。控えられた最終追い切り、パドックでの伸びやかではない歩様、ソエが出たとの角居調教師のコメント等々を考えると、そんな状態で良くぞここまでと言える好走ではあったが、福永祐一にはぜひこんな話を伝えたい。
    レース前、私は作家古井由吉とこんな会話を交わした。
    「狂うことが大事なんですよ。狂わなかったら絶対に勝てないレースがあるんですから」
    「ダービーは狂わなければいけない情念のレースですよね。でも落馬負傷して闘病生活をする父洋一の姿を見て育った祐一は、ある種いい子であらねばならなかったでしょう。でももう、その仮面を脱ぎ捨てる時期が来てますよね」
    「狂えたら良いんですがね・・勝てるかも知れませんよ」
    ゴール直前、先頭に立った福永祐一エピファネイアだったが、残り30mで武豊キズナに交わされて痛恨の2着。やはり狂えなかった。狂って傍若無人に狂い舞を演ずる壁を超えられなかった。騎手という表現者として自己破壊を怖れるな。この自らを包み込んでいる限界点を狂うことで超え得たなら、福永祐一は、きっと日本の競馬をその肩に背負える騎手になる。変わって行くことを怖れてはいけない。そこにこそ君の本当の世界があると信じて欲しい。

    アポロソニックの勝浦正樹は、好騎乗で3着を確保した。自らが何をしたら納得する結果を求められるのかと、勝負を決め打ったからだ。ひるまず先行して馬の良さを引き出す。それでダメなら全ての結果を背負い切るという覚悟を持って乗っていた。だからこその3着だった。今回の気持ちを忘れずに、馬の個性を大事にして、いつも攻め切る騎乗を続けたなら、いぶし銀の騎手と呼ばれるようになるだろう。デビューしたての若いときにはラフな騎乗と批判も受けたが、今はもう、それだけのものを持つ騎手となって成長している。さらに精進して欲しい。

    走っても走っても、何故か人気にならない和田竜二タマモベストプレイ。今回もそれだけの走りは見せた。実は、人知れず私好みの馬で、これからも和田竜二の騎乗を前提に中距離戦で応援し続けようと思っている。

    NHKマイルCの覇者柴田大地マイネルホウオウ。おそらく最初から狙ったローテーションではなく、マイルCの結果を受けての 急遽参戦ではなかったのか?追い切りの好状態から、もっと走ると思えたが、案外な結果に戸惑いを覚えているのは、私だけではないだろう。やはり最高に闘った次のレースは、どこか馬の芯の部分が腑抜けてしまうようだ。

    ともあれこうして記念すべき第80回ダービーは終わった・・・。 130526Ki01.jpg


    第80回を記念したアニバーサリーブックは、午前11時前には、20000部全てがファンの手に渡っていたという。ファンの心に響くこんなサービスが、全てのG1戦で続いたら、新しいファンも増えて行くに違いない。ぜひ続けて欲しい企画である。JRAの英断を期待して止まない。

    category: 競馬

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