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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    おお、何と凄い奴!! オルフェーブル!!! 

    埴輪馬

    3月18日。阪神競馬場。「阪神大賞典・3000m」

    スタートしてから、昨年の3冠馬オルフェーブルは、ずっと折り合いを欠いて、引っかかっていた。

    有馬記念以来のレースで気負っていたのだろう。

    池添謙一は、何とかなだめようとしてはいたが、3冠馬のパワーにはなす術もなかった。

    道中、馬群に包まれることなく外を進んだことも災いした。

    そして、2週目第3コーナー手前。オルフェーブルは、まるでレースを止めるように外へと逸走してスローダウンした。いっきに最後方に下がった・・・

    グリーンチャンネルを見ていた私は、咄嗟に、

    「故障じゃなきゃいい」

    と画面に向かって呟いたが、そうではなかった。

    まだレースの途中だと悟ったオルフェーブルは、即座にグーンと加速し、再び馬群をまくっていった。

    結果は、2着。

    でもさすがの凄みある2着だった。そこには他馬との決定的な力量差があった。

    今のオルフェーブルは、もはや神様の領域に足を踏みいれているかのごとく、素晴らしい馬になっている。

    リプレーを見たとき、

    「何と頭のいい馬なんだ」

    と、私は敬服した。

    あの3コーナー手前のアクシデントは、オルフェーブル自身が、

    「まだ行くな。折り合ってくれ」

    と祈るような池添謙一のかけるブレーキを察して、レースに無我夢中にならず、スピードダウンしたとしか思えなかったからだ。

    再びレースに戻ってからの加速も、繰り返すが圧倒的だった。

    20世紀の名馬ノーザンダンサーの血脈が結晶となって昇華したオルフェーブルは、もはや私たちの想像を絶する存在となっている。

    社台グループは、サンデーサイレンス・ディープインパクトに続く世界史に残る名馬を生み出したのである。

    もはやそうとしか言えない・・・

    2着であっても、脱帽、脱帽である。
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    category: 競馬

    thread: 演劇的競馬論  -  janre: 学問・文化・芸術

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    将棋駒オークションの現実 

    由進作 勝運駒

    ここのところ毎週のように、トウシンの駒オークションを覗いている。

    過去の名工から現代駒師までの作品が、次から次に出品され、私にとっては、個人的に批評しながら勉強できる格好の場なのだ。

    何度か落札したこともある。

    失敗したこともある。

    あれは、去年の春だった。あのとき私は、天童の駒師桂山の「錦旗彫埋め駒」を幸運にも手に入れた。

    しかし届いた駒は、1枚の桂馬が、他の桂馬と並べると1.5mmほど明らかに分厚かったのだ。言わば、不揃いの駒だった。将棋駒は、40枚が揃って楽しむものだからだ。

    あの担当者特有の語りでは、そのことには一言も触れてはいなかった。

    桂山・錦旗  この写真から、桂馬の不揃いを見つけ出すのは、私の力では難しい。それでなくとも、このオークションは、駒写真が敢えて赤味が強調されて、巧みに撮られているのだ。あの時は赤味の写真で日焼けにも意識が行かなかった・・・(1番奥の桂馬と手前の桂馬は歩と比べると厚みが違うんです。手品のような写真でした)

    オークションの諸先輩は、「それがオークションなのさ。嫌なら参加しなければいい」と言われるのだろう。

    だから、それ以後私は慎重になった。落札を目指すなら、迷調子の解説を鵜呑みにせず、気になったら事前に質問しようと決めたのである。

    先週末のオークション。竹風の「錦旗赤柾」盛上げ駒が出品されていた。私のブログを御覧になっている方はお気づきだろうが、竹風は初代から気になっている駒師である。

    トウシンニュウースレターを眺めると、次のように謳われていた。

    「今回の注目は「竹風」。この駒はすごいと思いました。そもそも竹風の作品は木地の良いものばかりですが今回の作品は頭一つ抜けている感じ。銘が「竹風作」ですので平成10年以前の作品は間違いありませんが私見では昭和50年代の師の古い作品ではないかと思います。すばらしい」

    しかし駒写真を見ると、どうも違和感がある。駒字や盛上げは竹風の手腕が発揮されていたが、これまで見た竹風作品とは異質なものに思えてならなかった。拙い面取りが、少しも竹風らしくはなかったのだ。商品写真 変な面取り①


    去年の体験もあって、私は金曜の朝に、質問してみた。

    「商品説明で触れられていませんが、多少面取りに違和感があります。この面取りは、竹風師ご自身の面取りなんでしょうか?」

    若しこの面取りが竹風師のものであるなら、私は今後認識を改めなければいけない。こういうことが勉強なのだ。

    このトウシンオークションは、水曜に出品され、日曜に締められる。金曜朝なら、あの迷調子で何らかの回答があるだろうと期待して待った。

    しかし、出品者からは、何の回答もなかった。何の回答もないまま、オークションは終わった。

    無視黙殺されたのである。どうせ回答しても落札はしない奴だと舐められたのだろう。

    それにしてもである。山の清貧生活者にとっては、10万を越える盛り上げ駒は宝物である。実際に買うかどうかより、宝物に関心を向けた質問には、出品者の責務として何らかの回答をするのが当然ではないだろうか?

    回答したくなかったのか、回答できなかったのかは判らないが、将棋のオークションを切り開いてきた出品者だけに、却ってそんな態度は納得できない。誠実と信頼を壊すものではないだろうか?出品者にとって、何か都合の悪い質問は回答しないというのがオークションの習いとでもいうのか?誰も声を上げなかったら、そんな客(カモ?)を愚弄するやり方が通用してしまうのか?

    素人の質問など、巧みにこなすのも手腕の内だと、私は思う。「好みはありますが、作品に相応しい面取りだと判断します」などと。そんな回答でも、しないよりはいい。回答を保留したことが、担当者の暗黙の誠意だと考えるほど、まだ私は大人ではない。

    ホラ、これを売ってあげますよ。気に入ったら写真で判断してね。でも、まあ使用済み中古品ですからね、あくまでも自己責任でよろしく。質問はほどほどにしてね。それにこれは大事なことなんですが、すぐに悪い評価は入れないでくださいね・・・・・


    自分で勉強していれば、そんな判りきったことを質問する私が不粋だと言われる方もいらっしゃるでしょうが、少なくとも私には、去年の説明すらなかった1枚の桂馬が、すでにトラウマになっているのです。

    さてさて皆々様のご判断はいかがでしょうか?教えていただけたら幸いです。どちらが悪意に満ちていたのかを。

    でもね、来週もまた思わずトウシンオークションを覗いてしまうんでしょうね。性懲りもなく。今よりもっともっと慎重になりながらも。

    今度質問に答えなかったら、もっと大声で騒ぎます、私は。担当のHさん、よろしくお願いしますよ。何と言っても大事なのは、信頼と誠実ですから。

    category: 将棋駒

    thread: 極私的将棋駒の快楽  -  janre: 学問・文化・芸術

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