Admin New entry Up load All archives

    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    春G1後半戦~天皇賞からオークス・ダービーまで その① 

    uma ime-ji 2

    昨日5月27日、11万8475人(午後3時現在)の大観衆を集めて、熱気ある大歓声の中、日本ダービーが催された。

    騎手福永祐一の、父洋一が突然の落馬負傷引退のためにその手にできなかったダービー制覇達成のドラマに、集った大観衆の温かい大声援がターフを包み込んで3歳馬の頂点となる「祝祭の儀式」が終わった。来週からは、また再び2歳馬たちの新しい闘いが始まっていく・・・・。

    4月29日。春天皇賞~京都・芝3200m。
    昨秋の天皇賞(東京芝2000m)3着からの岩田レインボーラインの着実な成長振りからしても、勝負を賭けてくるのはこの馬だろうと、私には思えてならなかった。
    予想通り2週目の最後の4コーナーを回ってからの岩田レインボーラインの、馬群の中を右斜めに縫うようにして強引大胆に突き抜けてきた迫力は、この馬の長距離における資質の高さと、騎乗する岩田康誠の馬の資質を最大限に引き出してやろうとする気迫の意志に満ち溢れていた。

    しかし・・・。

    ゴールインする寸前に(何度レースを見返してみても)、ガクンと体勢を崩しているのが見て取れた。レインボーラインは、自らの身体を犠牲的に捧げものにするかのように、極限の勝負に挑んでいたのだろう。命を懸けて勝負に挑んで、勝者の栄光を手中にしたが、はかなくも傷ついてしまったのである。これは競走馬にとっては宿命的に抱える現実なのだ。手をこまねいて何もしないよりも、身体を捧げて勝負に生きる。そのことがサラブレッドの孤高の姿を映し出すのである。はかなくも美しい競走馬の本質を、あまりにも見事に教えてくれるような激走だったと厳粛に認めるしかない。
    岩田康誠がゴールイン後に下馬したとき、私は何故かかつてのダンスインザダークの菊花賞を想い起していた。ダンスインザダークもあの96年の菊花賞を鮮やかな瞬発力を示して勝ち切って、しかし競走生命を捧げてしまった馬だった・・・。

    レインボーラインを軸にして相手に選んだのはクリンチャーだったが、騎乗者が武豊の直前の騎乗停止によって三浦皇成にチェンジしたこともあってか首+1/2差の3着で、私には玉砕の結末となったが、それはそれでしょうがないと認めざるを得なかった。いかに先行馬をゴールまで持たせるかというある種洗練された特有の技術で世界のボウマンと称される騎手が騎乗したとしても、何となく完調状態に思えなかったシュバルグラン(2着)を蹴ってしまっていたのだから致し方ない。レース結果は、完調でなくても力量差があれば何とかしのげるのも現実で、それを読み取れなかったのは私自身の想像力と分析力の欠如だったということなのだから。それにしても・・・・。うーん・・・・。


    5月6日。NHKマイルカップ~東京・3歳・芝1600m。
    ゴールデンウイーク最終日のこの日、私は外出の予定があってライブ観戦はできなかった。天皇賞の敗戦もあって、実は手元不如意状況で、ほんの少しだけタワーオブロンドンとケイアイノーテックの馬連1点だけ購入して出かけ、夜帰宅してレースを確かめたのだが、あまりにも見せ場がなかったタワーオブロンドンの敗退に不可解さだけが残った。強さを見せつけていた前走アーリントンCまでの戦績はいったい何であったのだろうか?判らない・・・・。ケイアイノーテックに騎乗した藤岡佑介の初G1制覇は初々しく微笑ましかったが、それにしてもタワーオブロンドン・藤沢厩舎・ルメール・・・どうしたんだろうか?・・・・・。


    5月13日。ヴィクトリアマイル~東京・古馬牝馬・芝1600m。
    昨年のオークスであれだけ強かったソウルスターリングがそろそろ復活の姿をみせるかもと信じようとした。相手は、内から岩田レッツゴードンキ、横山典ミスパンテール、戸崎アエロリット、武豊リスグラシュー。何故、横山典弘がずっと主戦だったアエロリットではなくミスパンテールに騎乗するのかは曖昧模糊としていたが、今回はミスパンテールの活躍の可能性のほうが高いと考えたに違いないと素直に受け入れてみた。となれば、本線は好きな馬であるレッツゴードンキとミスパンテールで押さえはアエロリットとリスグラシューになる。

    しかし・・・。結果は、またまた恥の上塗りとなるものだった。うーん・・・。どうもバイオリズムが極端に下がっているようだ。

    ルメール・藤沢厩舎・ソウルスターリング。この組み合わせであっても、勝ち運のないときには結果は生まれないのである。2週続けてやられてしまった。ソウルスターリングが昨秋の古馬牡馬との闘いで燃え尽きてしまったとはまだ思えないのだが・・・・。
    良馬場のBコース使用で1分32秒3の決着で、勝ったのは、2003年スティルインラブで、アドマイヤグルーブとの熾烈な闘いに勝ち、牝馬3冠を決め打った幸英明が騎乗したジュールポレール。2着は武豊リスグラシューで3着は北村友一レッドアヴァンセ。私の選んだ馬たちは4着から7着までにずらりと並んでいたのが皮肉な笑い話だった。あーあ・・・。それでもゴール前では接戦だったじゃないかと居直ってみても後の祭りで、明らかになったのは、不明な私の「下手な横好き」状態だけだった。(情けないお話で、穴があったら入りたい心境です、ハイ・・・・)

    いやはや、こう記していてもだんだん暗い気持ちで嫌になってきましたので、オークスとダービーは、明日か明後日にしましょうかねぇ。

    で、そういうことで、乞うご期待!ではなく、次もまた嘲り笑ってくださいませ・・・・。ハイ・・・・。





    スポンサーサイト

    category: 競馬

    CM: 0 TB: 0   

    春G1前半戦(高松宮記念~大阪杯~桜花賞~中山GJ~皐月賞) 

    埴輪馬

    競馬のスケジュールは、日を追って瞬く間に進んでいく。気が緩んで少しさぼりがちだと、ちょっと前のレースも遠い過去のようになってしまう。
    まあ、きちんきちんと書き残さなかった私自身に責任があるのだが・・・。と、ちょっとだけ反省して、記憶をたどって書き留めておこう。そんな作業が、いずれ近い将来、宝物の記録にもなるのだから。

    3月25日。高松宮記念。中京・芝1200m。春のスプリンターチャンピオン決定戦だ。
    私の中では、デムーロ・レッドファルクスが信頼に足る軸馬で、中心となるという見解に疑いはなかった。いつものように最終追い切りを確認もしたし、前走の阪急杯3着の追い込みも、本番前のトライアルとすれば充分に及第点で、高松宮記念に向けての準備態勢は完璧に整っていると信じた。で、相手に岩田レッツゴードンキ、川田ファインニードル、武豊ダンスディレクターの3頭を選んで、これでOKと信じて疑ってはいなかったのだが・・・。
    何故か、レッドファルクスはゲートが開いても、いつものような軽快で迫力のある行き脚を少しも見せなかったのである。レースに絡む気迫を現わさず、今日はないなとスタート直後に諦めざるを得なかった。1着は川田ファインニードル、2着は岩田レッツゴードンキで、縦目を食らってしまった結果となった。
    昨年12月に香港参戦して、年明け初戦がおよそ3か月後の阪急杯。となれば、結局はいわゆる2走ボケだったのだろう。そう思うしかない不可解な敗戦だった。

    4月1日。大阪杯。阪神・芝2000m。
    強い4歳馬を信じれば、ここは先週1番人気を背負って惨敗したデムーロが騎乗するスワーブリチャードを本命にするしかない。相手は、同じ4歳の皐月賞馬川田アルアインに、横山典ミッキースワローだが、趣味で池添ヤマカツエースを加えた。まだ完全復調にない戸崎サトノダイヤモンドをどう見るかに頭が痛かったが、考えすぎるのも面倒になってほんの少しだけ押さえておくことにした。
    結果は、デムーロ・スワーブリチャードの危なげない完勝。2着を確保したのが、4頭出しの池江厩舎の人気薄福永ペルシアンナイトだった。他頭数出しの池江厩舎の場合、何となく人気薄のほうが好走する傾向があるんだと、ずっと以前の有馬記念のオーシャンブルーの頃から思っていたが、今回はそんな自分自身の見極めに逆らってしまったという結果だった。うーん、残念無念・・・。
    それにしても、完成領域に入ったこれからのスワーブリチャードがどんな路線でさらなる名馬となっていくかということには大いに関心を持たざるを得なかった。2000mでの完勝は、それだけの価値があるパーフェクトな勝利だったと思えたのである。

    4月8日。桜花賞。阪神・芝1600m。
    2歳牝馬チャンピオン決定戦である阪神JFと桜花賞トライアルチューリップ賞の圧倒的勝利。それを想い出せば出すほど、石橋ラッキーライラックが不動の中心馬であることに疑いを持つことはなかった。18頭の出走馬(結果的にアマルフィコーストは出走取り消しだったが)で、社台グループの生産馬が16頭(ノーザン8、社台6、白老2)を占める社台グループの運動会の様相では、上位独占は間違いなく、相手馬は絞ろうと決めていた。結局川田リリーノーブルを厚めにして、ルメール・アーモンドアイと福永フィニフティを押さえてレースを待った。
    1枠1番の石橋ラッキーライラックはスタート直後に周囲の動静を確かめるわずかなロスがあったが、隊列が決まっってからはミスもない桜花賞馬たるべき騎乗を見せはした。しかしもはや勝利かと思われた直線で、アーモンドアイが外から軽々と差し切ったのである。勝ち時計は1分33秒1。余力を残しての桜花賞レコードが刻まれた。ラッキーライラックは生まれた年が悪かったとしか言えない。
    そもそもアーモンドアイがこれほどの力を秘めた馬だというジャーナルな報道はあったのだろうか?おそらくなかったのである。私もやや重の馬場で1分37秒1のタイムで差し切ったシンザン記念を見ていたが、そのときはシンザン記念自体が低調なレヴェルのレースだったとしか思えなかった。ただこの桜花賞で相手馬の1頭に選んだのは、牡馬に楽勝した事実に敬意を表しただけだったのである。しかし、この馬は化け物ような強さを秘めていた。これからどんな馬になっていくのか、本当に興味深いものだ。
    それにしてもこの決着は、若き内国産種牡馬ロードカナロアとオルフェーブルの1・2着で、新しい時代の風の流れを意識させてくれるものだったことは間違いなかった。そう思えてならない。

    4月14日。中山GJ。中山・芝障害4250m。
    石神オジュウチョウサンと林アップトゥデイトがいかに闘い合うかだけが焦点の中山グランドジャンプだった。
    昨年暮れの中山大障害で、果敢に逃げたアップトゥデイトをゴール前でようやく捕えたオジュウチョウサン。3着以下の馬たちとの着差が、この2頭の卓越した障害馬としての実力を見せつけてもいた。さて今回はどうなるのか?どんな結果になるにせよ、2頭の熾烈な戦いになることだけははっきりとしていた。
    スタート直後から林アップトゥデイトが逃げる態勢を整えるまでに多少のロスがあったように思えたが、それも覚悟の上だったろう。特筆すべきは、石神オジュウチョウサンが苦労した中山大障害戦とは違って、絶えずアップトゥデイトを前目でマークする戦術に出たことだった。売られた喧嘩を敢えて相手の土俵で買ってやるという不敵な自信だったのかも知れない。
    4分43秒フラットの時間。それは、見る者にはまさに充足したショウタイムでさえあった。石神オジュウチョウサンは、アップトゥデイトが持つ4分46秒6というレコードタイムを3秒6も詰めて、新たにレコードをタイムを築いて危なげなくゴールインした。2着はアップトゥデイト。今最高に障害戦を盛り上げてくれる素晴らしい2頭の姿だった。

    4月15日。皐月賞。中山・芝2000m。
    前夜からの雨が馬場に残り、緑の芝の下はやや重の状態で、朝に雨は止んでいたが皐月賞は良馬場にはならなかった。
    この日、私は中山に向かった。去年覚えたルートで、新秋津から武蔵野線で1時間。船橋法典駅からは中山競馬場への地下道を歩いた。朝9時に家を出て、11時半前に到着。「優駿」の責任担当者が、前任のOさんから新任のYさんに代わったこともあって、今回は初対面なので暮れの有馬記念のような病欠はしたくなかった。幸い、春の眠たい病の傾向はあったが、それ以外は何とか無理をしなければ大丈夫だった。
    皐月賞の前の週に、 2歳チャンプで朝日杯、弥生賞を連勝した川田ダノンプレミアムの出走回避が報道され、中心馬が不在するレースとなることだけは明確になっていた。
    ダノンプレミアムは、すでに他のすべての出走馬がレースでその動向をマークして意識せざるを得ない存在だった。つまりレースの支配権を確立した馬であったのである。ダノンプレミアムの一挙手一投足に合わせて、他馬はレースに参加していたのだ。
    さらに言うなら、この皐月賞で人気になった馬たちは、ダノンプレミアムとの相対関係で2着や3着を確保していた馬であり、自らレースの支配権を確立して、他馬からのマークを吹き飛ばして好成績を挙げてきた馬ではなかった。この点が、皐月賞の重要なポイントだと、私には思えてならなかった。
    武蔵野線での1時間の間に、私は自分自身の最終判断を決めた。
    「これだけ先行馬が揃うと逆に先行馬へのマークは薄くなるだろう。ステルヴィオやワグネリアンやジャンダルムやタイムフライヤーなどに出走騎手の意識が向かうなら、先行馬は絶好の狙い目となる」

    招待の部屋に着いてから、松花堂弁当を頂いて、ゆっくりとしていたが、2分1秒7で決着した9R1000万条件鹿野山特別の3連複を的中させ、今日の皐月賞は2分1秒を切るぐらいのレースだろうなと見極めたついでに、3連複のプラス分を10R 京葉Sの馬連ベストマッチョからダノングッド、テーオーヘリオスの2点につぎ込んでみたら、1着田辺ダノングッド2着内田ベストマッチョで40倍の配当となった。これで皐月賞の軍資金を確保した。
    そうなれば、思いの通り先行馬をピックアップすればいい。パドックを見て田辺ジェネラーレウーノと戸崎エポカドーロに国分恭アイトーンに決めてみた。ほかにもケイティクレバー、サンリヴァルと先行馬はいたが、迷ったらキリがないと割り切ってしまった。(この辺が下手なところで、情けない・・・)

    もし大外枠の大野ジュンヴァルロの前半戦での健闘踏ん張りがなかったとしたら、より楽に先行できたジェネラーレウーノは2着を確保できたかもしれない。でもそれは結果論だろう。さらに言えば、サンリヴァルを選び取らなかった私自身の愚かさを反省すべきなのだ。まあ、それも含めて競馬なのだから。また明日に期待することにしようか。

    この日、いつもの法華経寺の茶店に誘われたのだが、雨上がりの湿度に負けたのか右脚の痺れを感じて、長い歩行に耐えないかもと判断して、辞退した。

    船橋法典駅に戻りまた武蔵野線の1時間の旅で新秋津、西武池袋線で所沢からレッドアローに乗り換えて、ノンアルコール状態で帰宅した。的中こそ逃したが、先行馬の競馬を予感して、1着3着馬の組み合わせを持っていたことに何となく充足感を覚えてならなかった。不適中の悔しさよりも、レースの全体像の見極めに曇りがなかったことに奇妙な満足感を得ていたのである。不思議な感覚だったが、行く前と後で、財布の中身が少しも変わらなかったからだろうか?そうか、だとすれば中山競馬場を出るときには、皐月賞にプラス分を全てつぎ込んだと思っていたが、交通費分は浮いていたことになる。なかなかしぶといなあ、この私も・・・。

    さて次は春天皇賞を楽しみにして、またしばし生きながらえてみようか・・・うん。







    category: 競馬

    CM: 0 TB: 0   

    2018 フェブラリーS(東京・ダート1600m)~中山記念まで 

    埴輪馬

    ここのところ、ちょっとやぶ用が重なってパソコンの前から離れていた。

    で、時間は10日前に遡る。2月18日。2018最初のG1戦である東京ダート1600mのフェブラリーSが行われた日だ。
    縁起担ぎもあって、最初のG1戦は何とか推理的中に至りたいと願うのは、毎年感じる大衆の夢である。そして私自身も、まぎれもない大衆の一人に他ならない。だからそれなりに夢を見た。

    最終追い切りをいつものようにGCの録画でチェックして、土曜の段階でR.ムーア騎乗のゴールドドリームの軸は決めていた。相手を先行馬にするか、後ろからの差し馬にするかは、今回の重要なテーマで悩んだが、騎手心理として、これだけ先行馬が揃えば逆に相手の出方を牽制し合って、さほどハイペースにはならないのではないかと、そう判断したのだが・・・。

    こんな見極めを、徹底的に砕いたのが、馬の気配を察して騎乗する横山典弘ニシケンモノノフの逃亡だった。それに福永祐一ケイティブレーブも古川吉洋テイエムジンソクも石橋脩ノボバカラも引くに引けずに絡んで行き、結局は、ダート戦ながら前半3F34秒1のまごうことなきハイペースとなってしまったのである。

    直線での差し馬台頭はもはや間違いなかった。せめて戸崎圭太サンライズノヴァに最後の願いを賭けたが唯一の4歳馬でまだ古馬の牙城は崩しきれずに4着が精一杯だった。ムーア・ゴールドドリームは安全策をとった印象で、直線早めに追い出して馬群を抜けたためにゴール前で内田博幸ノンコノユメに差し切られてしまって2着だった。

    先行馬がぎりぎりの牽制をし合って、ゴール前での熾烈な攻防を見せ合うと読んで、ゴールドドリームから、テイエムジンソク、サンライズノヴァ、穴ならノボバカラと3頭を選んだ私の推理は、結局、スタート直後から横山典弘ニシケンモノノフに打ち砕かれたと言うことである。ノンコノユメは、雪の影響で馬場が締まってやはりハイペースだった根岸Sに続いて、2匹目のドジョウをつかんだ様に幸運だったということだろう。

    でも私も、しぶとかった。この日の朝、研究ニュースでたまたま小倉記念大賞典(小倉・芝1800m)の出馬表を見て、おおこのメンバーなら川田将雅トリオンフの軸は固いと、トリオンフからヤマカツライデン、ウィンガナドル、調教師定年引退を控える小島太厩舎のストレンジクウォーク、そして大穴なら人気はないが力はあるはずのクインズミラーグロへの馬連を少しばかり買っていたのだ。
    先行馬は堂々と4コーナーから差し切ったトリオンフに潰されたが、最後に大外16番枠のクインズミラーグロが追い込んで2着を確保してくれて、馬連は140倍を超えていた。ほんの少しだったが、取り合えずラッキー‼・・・。

    この結果を知って、フェブラリーSを観戦していたのである。でも府中の結果は、アンラッキー‼・・・。
    それでも、しぶとく次週の中山記念の軍資金はまだ残っていた。こんな大勝ちもないが大負けしないしぶとさが、1月からずっと続いている。続けばそれなりにレースの推理を楽しめるから、それが明日への活力にもなってくるというものだ。

    細かな用をこなしながら、次に迎えた2月25日の日曜日。阪急杯(阪神・芝1400m)と伝統の中山記念(中山・芝1800m)の日を迎えた。
    いつもの如くGCの最終追い切りの録画で馬の気配を確かめて準備をした。
    阪急杯の軸は、ルメール・モズアスコット。この馬からG1馬川田将雅レッドファルクス、池添謙一カラクレナイ、武豊ダイアナヘイロー、福永祐一シュウジへの馬連4点。

    ダイアナヘイローを選んだのは、やはり定年制で引退する福島信晴調教師の最後の重賞挑戦だったこともある。元騎手安田富男と同年だった彼と出会ったのは、札幌の市場に近い寿司屋だった。確か厩舎を開業する前年のことだったと思う。田舎のおじさんのような人柄と笑顔が印象的で、同じ年の安田富男との会話を、まだ駆け出しだった私は傍で楽しく聞いていた。そんなことをふと想い出したからだった。
    こんなこともあった。1996年の皐月賞のパドック。見終えた私は、たまたま隣り合わせた福島信晴とこんな会話をした。
    「いやぁ、ダンディコマンドはいい馬ですねぇ・・。今日はイシノサンデーやロイヤルタッチに敵わなくても、必ず重賞を獲る馬でしょう」
    「そうかなぁ・・」と、福島信晴はさりげなくしていたが、村本騎乗で2番手から5着に粘った結果からすると、実はこの日こそ福島信晴には勝負の日だったに違いなかった。今から思えば、秘かに一発勝負に出ようとしていた調教師に対して、ずいぶん生意気な口を叩いてしまったものだと反省している。
    その管理馬ダイアナヘイローが、武豊の騎乗で粘り勝ちを収めた。モズアスコットは2着、レッドファルクスは3着。馬連は30倍に近い配当だった。

    そして中山記念。
    そう言えば、サクラローレル(直前に引退した小島太に代わって横山典弘が騎乗した)、ジェニュイン(松山厩舎・岡部幸雄騎乗)で決まった中山記念も1996年のことだった。2頭のG1馬の組み合わせで馬連は45倍もの配当だった。私には忘れられない中のいい想い出でもある。

    相手馬2頭はすぐに決まった。松岡正海ウィンブライトと調教師小島太の最終最後の重賞挑戦となる田中勝春ディサイファ。
    軸は、横山典弘アエロリットにするか、デムーロのペルシアンナイトにするか迷った。心情的にはアエロリットだったが、横山典弘に攪乱されたフェブラリーSのトラウマもあり、結局皐月賞2着のマイルCS馬ペルシアンナイトに決めた。(何と愚かな・・・)

    中山記念の勝ち馬は、松岡正海ウィンブライト。2着は、坂を上ってゴール前に差し返した横山典弘アエロリットが確保。デムーロ・ペルシアンナイトは5着がやっとだった。

    ペルシアンナイトにドゥラメンテのレースをさせてもだめだろう。ウィンブライトは究極の瞬発力勝負になったらまだ脆さが出るだろうから、今後松岡正海がそうはさせないレースに挑んでいけばまだまだ成長するだろう。牝馬アエロリットは確実に牝馬の中距離馬の頂点に向かって成長を遂げている。

    そして不肖この私も、しぶとく競馬に食らいついている。このペースを守っていれば、いずれ・・・。そう思うと、また週末の桜花賞トライアル・チューリップ賞や皐月賞トライアル・弥生賞が待ち遠しくなるというものだ。

    間違っても難易度の高い馬券に手を出すようなことはなく、己の身の程を知って、ひたすらペースを乱さずにだ。うーん、これも欲があると難しいが・・・。
    何とか心しようかと、そう思えるここのところの10日間でした、ハイ・・・・。







    category: 競馬

    CM: 0 TB: 0   

    2017 有馬記念~中山・芝2500m 

                       埴輪馬

    12月24日。クリスマスイブの夜明けに、私は2度もトイレに駆け込む羽目になった。

    下痢と鼻水と脱力感。正露丸を多めに飲み、止まらぬ鼻水にはかねて主治医から処方されているムコダインを服用し、脱力感には、これも処方されていた葛根湯で対処してみたが、外が明るくなっても症状は治まらない。

    中山行は諦めて、朝8時過ぎに報道室のOさんに「本日欠席」のメールを入れた。「了解しました。お大事に」との返事をもらって、そのままベッドの中でウトウトしていると、新潮社の編集者Kさんから電話が入った。最初は話がかみ合わなかった。彼は、どうやら私がすでに中山にいると思って、自分は風邪で欠席するがそちらの様子はどうか?と連絡をしてきたのだ。訊かれた私がまだ家のベッドの中にいたのだから話が噛み合うはずもない。互いに事情を理解して、共に風邪に見舞われてしまって力の入らない苦笑いを交わし合って電話を切った。

    昼過ぎまで横になっていたが、そろそろ有馬記念のことを考えようと、厚着をして机に向かった。

    頭はボーッとしていたが、出走メンバーを改めて見渡しても、今日の有馬記念で武豊キタサンブラックに絡んでいく力のある逃げ馬も、おそらく中山右回りなら自ら逃げるだろうキタサンブラックに圧力をかけ続ける先行馬も見当たらなかった。しかもキタサンブラックは、先行馬に有利な1枠2番を武豊自身が抽選で引き当ててもいたのだ。まさに、「どうぞ勝って下さい」という様相だったのである。

    となれば、3コーナー辺りの勝負ポイントで、他馬よりも一瞬早く仕掛けの始動を始める馬でなければ、ほぼ勝負にならないことも自明だった。
    キタサンブラックは4コーナー手前から上り34秒台の脚で逃げ込みを図るだろう。それを上回る後続馬がいるなら、勝負になるのはその馬だ。
    しかし有馬記念は、4コーナーを1周目は外回りで廻るが2周目は内回りを廻る。もともと強い先行馬には有利なコース形態なのである。

    「おそらく今日のメンバー構成なら、何事もなければ、順当な結果となって、5歳のキタサンブラック、シュヴァルグランに対して、3歳のスワーブリチャードがどんなレースをしてくれるのかという結果になる」
    それが、素直な私の結論だった。

    でも、しかし、そうは言っても、この私は世の常識にチャレンジする捻くれ者なのだ!風邪に見舞われて、体調不良なら余計に捻くれてやる。だって、この身が具体的に苦しいのだから・・・。

    最終追い切りをGCで見て、私には勢い良く弾けていたのがスワーブリチャードのように思えてならなかった。今さら、ラストレースの感動をと、引退が決まっているキタサンブラックに乗り換える訳にはいかない。ならば軸はこの馬にして、「祭り」騒ぎの喧騒から離れよう。ついでにあまりにも幸運なJC馬のオーナーのほくそ笑みも、体調不良の身では見たくもないから切り捨てよう。

    いつもなら感情を押さえてレースを見守るのだが、今日だけは違った。ふらつく風邪症状の影響で、心の余裕は生まれ得なかったのだ。

    だからスワーブリチャードから相手に内からヤマカツエース、ルージュバック、ミッキークイーン、ムーア騎乗のサトノクラウンをパドックを待つことなく選んで、また横になったのだった。


    スタートして、福永祐一シャケトラと池添謙一ヤマカツエースが後ろからプレッシャーをかける気配を示したが、キタサンブラックの威圧感に負けてか示しただけで、本当の意味では圧力までには至らなかった。結果、キタサンブラックの楽逃げのレース支配が成立した。もはや勝ち切ったも同然だった。

    そのまま、他馬の勝負処からの弾けるような奇襲攻撃もなく、平穏無事な戦振りでキタサンブラックは逃げ切りの態勢を創り上げていった。

    何事もなく終わるかに見えたレースだったが、直線でM.デムーロに追われながら外から迫ってきたスワーブリチャードが内に寄れて、ボウマン・シュヴァルグランと蛯名正義サクラアンプルールの進路を妨げた。M.デムーロが勝負掛りで勝負の鬼になり切ると、ときに強引な騎乗を見せることがある。馬込みの中から一瞬の間隙を他馬を弾くように抜けたり、外から他馬を圧し潰すように抑え込んだり・・・。それも競馬という勝負の格闘技であり、また醍醐味でもあるが、今回は左ムチを受け追われ続けた3歳のスワーブリチャードが瞬間にガス欠を起こすように苦しがって内にヨレタのだろう。

    敢えて「もし」を言うなら、このアクシデントがなかったら、2着は順当にボウマン・シュヴァルグランだったということだ。漁夫の利をさらった2着ルメール・クイーンズリングを応援したファンにはツキがあり、3着シュヴァルグランを応援したファンにはツキがなかったとしか言えない。ツキは明日には入れ替わるものだから。(M.デムーロは年明け2日間の騎乗停止処分となった)

    ともあれ2017年の競馬は、結局キタサンブラックに明け暮れる結末となった。個人的には、2年前のセントライト記念や菊花賞から応援したサクラバクシンオーの孫だったが、今年辺りはキタサンブラックをいかに外すかだけを考えていたようにも思う。それだけのスター馬となったからこそだとも言えるのかも知れない。

    前日の阪神Cの成果を8割ほど吐き出して、私の2017年の有馬記念は横たわるベッドの中で終わった。まあ、それも良しだ。こんな日もある。

    3日経ったが、まだ完全には風邪の症状は抜け切ってはいない。


    <有馬記念>中山・芝2500m
    1着 キタサンブラック  武豊      (牡 5歳 57㎏)  2.33.6 
        2 クイーンズリング  C .ルメール (牝 5歳 55Kg)  2.33.8  1 1/2
        3 シュヴァルグラン  H.ボウマン  (牡 5歳 57㎏)  2.33.8  ハナ
        4 スワーブリチャード M .デムーロ (牡 3歳 55㎏)  2.33..8  クビ





    category: 競馬

    CM: 0 TB: 0   

    2017 中山大障害(芝4100m)と阪神C(芝1400m) 12月23日 

    埴輪馬

    12月23日。
    有馬記念を翌日に控えた土曜日。個人的には、この日を楽しみにしている。というのは、中山大障害が近年とても面白いレースになっていること、また阪神Cには私が好みとする馬たちが結構多く出走してくるからだ。今年もそうだった。

    大障害には、現在、石神深一オジュウチョウサンというジャンパーのスターが誕生しているし、このオジュウチョウサンが現れる前の実力馬林満明アップトゥデイトがそろそろ復活の狼煙を上げる状態になっているのである。

    今回、アップトゥデイトの陣営は、オジュウチョウサンを打ち破る決意を持って、ハイペースの逃げを事前に宣言していた。勝負の活路を開くために「肉を切らせて骨を断つ」肉弾戦に挑もうとしていたのである。それというのも、オジュウチョウサンの実績は確かなものだったが、これまでの結果では、時計勝負を挑まれることなく楽勝していて、果たしてハイペースになったらということがまだ未知数だったのだ。手をこまねいていては勝負には勝てないと見た陣営が、もしもという可能性に賭けて新しい作戦に出ようとしていた。それが今回の中山大障害の最大の見処とも言えた。

    パドックを見て、ほぼ一騎打ちだなと感じたが、アクシデントも予想される障害戦故に、オジュウチョウサンからルペールノエルとサンレイデュークに流し、馬連1.8倍のアップトゥデイトの組み合わせは止めて、勝負への意欲に期待してアップトゥデイトからオジュウチョウサンへ馬単1点だけ押さえて、レースを待った。これなら10倍を超えていた。

    宣言通りの展開となった。
    他馬を離しに離して、単騎先頭の形で林満明アップトゥデイトは逃げまくった。
    この逃亡に少しばかり攪乱されたのか、石神深一の手綱と騎座はいつもの堂々としたリズムを失っていてオジュウチョウサンの障害飛越は微妙に安定感を失くしているようにも思えた。着地のバランスが美しくなかったのだ。

    4コーナーを廻って直線を迎えてもアップトゥデイトはハイペースで逃げていた。
    しかしその差は1完歩毎に詰り、遂にゴールでは半馬身オジュウチョウサンが交わしていた。3着以下の馬たちとの差は大差。2頭はレコードタイムを刻みながら4100mのコースを駆け抜けたのである。

    的中こそならなかったが、近年稀に見る最高の障害戦を楽しませてくれた2頭の名障害馬に感謝して、中山大障害は終わった。この2頭は、まだまだ来たる2018年も障害のスターとして君臨するだろう。

           <中山大障害>芝4100m
           1着 オジュウチョウサン 石神深一 (牡6 63Kg ) 4.36.1 Record
           2   アップトゥデイト    林満明   (牡7 63Kg)  4.36.2  1/2
           3   ルペールノエル   高田潤   (牡7 63Kg)  4.39.4  大差


    中山大障害の興奮冷めやらぬ中、次に控えていたのは阪神Cである。
    2014年の皐月賞馬であり、これまで幾度となくレースを楽しませてくれた確かフジキセキの最後世代の産駒イスラボニータのラストレースだった。
    となれば応援しない訳にはいかない。ここ3年もの間、安心して軸にできる活躍を示してくれた応援しがいのある好きな馬だった。
    今でも蛯名正義が状態最高潮のこの馬を勝たせられなかった2015年マイルCS(3着:勝ったのはモーリス)は悪夢のような懐かしい想い出である。 

    軸はイスラボニータと決まっていた。相手は絞られる。スワンSを勝ちG1マイルCSでも3着に追い込んだ福永祐一サングレーザーに、現在4連勝中の上り馬C.デムーロ・モズアスコット。共に3歳牡馬である。それに趣味で2頭。笹田厩舎の武豊ダンスディレクターに、去年の覇者であり惨敗もあるがときに天才的手腕で魅了する横山典弘シュウジ。計4頭を相手に選んだ。

    4コーナーを廻って先に馬群を抜け出したのは武豊ダンスディレクター。
    4コーナーではまだ馬群に包まれていてハラハラドキドキさせたルメール・イスラボニータ。

    でもゴール前では、この2頭のハナ差の接戦となって、最後にG1馬の意地としたたかさを見せつけてイスラボニータが差し切っていた。走破タイムは、23年前の94年スワンSで小島太サクラバクシンオーが角田晃一ノースフライトを降して作った1分19秒9のレコードを凌いでいた。

    何とダンスディレクターは7番人気でこの馬連が40倍を超える結果となった。おー、これで明日の有馬記念の資金ができたとひと安心。しかし・・・。

    その後が悪かった。中山大障害から阪神Cと集中するあまり、自分の中の熱気も増して薄着でいたのが災いした。

    夕食時になっても食欲もわかず、少しばかり寒気がして、鼻水が止まらなくなり、どうもお腹の辺りがグルグルし始めた。
    明日は中山での「優駿」招待があって、何としても駆けつけたいのだが・・・。

    とにかく寝てしまって体力回復と決めて、寝酒にウィスキーをショットグラスで3杯あおって横になったのだが・・・。
                                                                (この項 続く)

            <阪神C>芝1400m
            1着 イスラボニータ  C. ルメール(牡6 57Kg)  1.19.5  Record
            2   ダンスディレクター  武豊   (牡7 57Kg)  1.19.5   ハナ
            3   サングレーザー   福永祐一 (牡3 56Kg)  1.19.7  1 1/4
                 




    category: 競馬

    CM: 0 TB: 0