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    Tsuruki Jun<鶴木遵>の原風景 《絶対零度》

    鶴木遵の本、新しい挑戦、趣味である競馬、将棋の駒、男の手料理、めだかやミジンコ飼育、犬猫のよもやま話、など四季折々に感じたことを発信していきます。

    2017 有馬記念~中山・芝2500m 

                       埴輪馬

    12月24日。クリスマスイブの夜明けに、私は2度もトイレに駆け込む羽目になった。

    下痢と鼻水と脱力感。正露丸を多めに飲み、止まらぬ鼻水にはかねて主治医から処方されているムコダインを服用し、脱力感には、これも処方されていた葛根湯で対処してみたが、外が明るくなっても症状は治まらない。

    中山行は諦めて、朝8時過ぎに報道室のOさんに「本日欠席」のメールを入れた。「了解しました。お大事に」との返事をもらって、そのままベッドの中でウトウトしていると、新潮社の編集者Kさんから電話が入った。最初は話がかみ合わなかった。彼は、どうやら私がすでに中山にいると思って、自分は風邪で欠席するがそちらの様子はどうか?と連絡をしてきたのだ。訊かれた私がまだ家のベッドの中にいたのだから話が噛み合うはずもない。互いに事情を理解して、共に風邪に見舞われてしまって力の入らない苦笑いを交わし合って電話を切った。

    昼過ぎまで横になっていたが、そろそろ有馬記念のことを考えようと、厚着をして机に向かった。

    頭はボーッとしていたが、出走メンバーを改めて見渡しても、今日の有馬記念で武豊キタサンブラックに絡んでいく力のある逃げ馬も、おそらく中山右回りなら自ら逃げるだろうキタサンブラックに圧力をかけ続ける先行馬も見当たらなかった。しかもキタサンブラックは、先行馬に有利な1枠2番を武豊自身が抽選で引き当ててもいたのだ。まさに、「どうぞ勝って下さい」という様相だったのである。

    となれば、3コーナー辺りの勝負ポイントで、他馬よりも一瞬早く仕掛けの始動を始める馬でなければ、ほぼ勝負にならないことも自明だった。
    キタサンブラックは4コーナー手前から上り34秒台の脚で逃げ込みを図るだろう。それを上回る後続馬がいるなら、勝負になるのはその馬だ。
    しかし有馬記念は、4コーナーを1周目は外回りで廻るが2周目は内回りを廻る。もともと強い先行馬には有利なコース形態なのである。

    「おそらく今日のメンバー構成なら、何事もなければ、順当な結果となって、5歳のキタサンブラック、シュヴァルグランに対して、3歳のスワーブリチャードがどんなレースをしてくれるのかという結果になる」
    それが、素直な私の結論だった。

    でも、しかし、そうは言っても、この私は世の常識にチャレンジする捻くれ者なのだ!風邪に見舞われて、体調不良なら余計に捻くれてやる。だって、この身が具体的に苦しいのだから・・・。

    最終追い切りをGCで見て、私には勢い良く弾けていたのがスワーブリチャードのように思えてならなかった。今さら、ラストレースの感動をと、引退が決まっているキタサンブラックに乗り換える訳にはいかない。ならば軸はこの馬にして、「祭り」騒ぎの喧騒から離れよう。ついでにあまりにも幸運なJC馬のオーナーのほくそ笑みも、体調不良の身では見たくもないから切り捨てよう。

    いつもなら感情を押さえてレースを見守るのだが、今日だけは違った。ふらつく風邪症状の影響で、心の余裕は生まれ得なかったのだ。

    だからスワーブリチャードから相手に内からヤマカツエース、ルージュバック、ミッキークイーン、ムーア騎乗のサトノクラウンをパドックを待つことなく選んで、また横になったのだった。


    スタートして、福永祐一シャケトラと池添謙一ヤマカツエースが後ろからプレッシャーをかける気配を示したが、キタサンブラックの威圧感に負けてか示しただけで、本当の意味では圧力までには至らなかった。結果、キタサンブラックの楽逃げのレース支配が成立した。もはや勝ち切ったも同然だった。

    そのまま、他馬の勝負処からの弾けるような奇襲攻撃もなく、平穏無事な戦振りでキタサンブラックは逃げ切りの態勢を創り上げていった。

    何事もなく終わるかに見えたレースだったが、直線でM.デムーロに追われながら外から迫ってきたスワーブリチャードが内に寄れて、ボウマン・シュヴァルグランと蛯名正義サクラアンプルールの進路を妨げた。M.デムーロが勝負掛りで勝負の鬼になり切ると、ときに強引な騎乗を見せることがある。馬込みの中から一瞬の間隙を他馬を弾くように抜けたり、外から他馬を圧し潰すように抑え込んだり・・・。それも競馬という勝負の格闘技であり、また醍醐味でもあるが、今回は左ムチを受け追われ続けた3歳のスワーブリチャードが瞬間にガス欠を起こすように苦しがって内にヨレタのだろう。

    敢えて「もし」を言うなら、このアクシデントがなかったら、2着は順当にボウマン・シュヴァルグランだったということだ。漁夫の利をさらった2着ルメール・クイーンズリングを応援したファンにはツキがあり、3着シュヴァルグランを応援したファンにはツキがなかったとしか言えない。ツキは明日には入れ替わるものだから。(M.デムーロは年明け2日間の騎乗停止処分となった)

    ともあれ2017年の競馬は、結局キタサンブラックに明け暮れる結末となった。個人的には、2年前のセントライト記念や菊花賞から応援したサクラバクシンオーの孫だったが、今年辺りはキタサンブラックをいかに外すかだけを考えていたようにも思う。それだけのスター馬となったからこそだとも言えるのかも知れない。

    前日の阪神Cの成果を8割ほど吐き出して、私の2017年の有馬記念は横たわるベッドの中で終わった。まあ、それも良しだ。こんな日もある。

    3日経ったが、まだ完全には風邪の症状は抜け切ってはいない。


    <有馬記念>中山・芝2500m
    1着 キタサンブラック  武豊      (牡 5歳 57㎏)  2.33.6 
        2 クイーンズリング  C .ルメール (牝 5歳 55Kg)  2.33.8  1 1/2
        3 シュヴァルグラン  H.ボウマン  (牡 5歳 57㎏)  2.33.8  ハナ
        4 スワーブリチャード M .デムーロ (牡 3歳 55㎏)  2.33..8  クビ





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    2017 中山大障害(芝4100m)と阪神C(芝1400m) 12月23日 

    埴輪馬

    12月23日。
    有馬記念を翌日に控えた土曜日。個人的には、この日を楽しみにしている。というのは、中山大障害が近年とても面白いレースになっていること、また阪神Cには私が好みとする馬たちが結構多く出走してくるからだ。今年もそうだった。

    大障害には、現在、石神深一オジュウチョウサンというジャンパーのスターが誕生しているし、このオジュウチョウサンが現れる前の実力馬林満明アップトゥデイトがそろそろ復活の狼煙を上げる状態になっているのである。

    今回、アップトゥデイトの陣営は、オジュウチョウサンを打ち破る決意を持って、ハイペースの逃げを事前に宣言していた。勝負の活路を開くために「肉を切らせて骨を断つ」肉弾戦に挑もうとしていたのである。それというのも、オジュウチョウサンの実績は確かなものだったが、これまでの結果では、時計勝負を挑まれることなく楽勝していて、果たしてハイペースになったらということがまだ未知数だったのだ。手をこまねいていては勝負には勝てないと見た陣営が、もしもという可能性に賭けて新しい作戦に出ようとしていた。それが今回の中山大障害の最大の見処とも言えた。

    パドックを見て、ほぼ一騎打ちだなと感じたが、アクシデントも予想される障害戦故に、オジュウチョウサンからルペールノエルとサンレイデュークに流し、馬連1.8倍のアップトゥデイトの組み合わせは止めて、勝負への意欲に期待してアップトゥデイトからオジュウチョウサンへ馬単1点だけ押さえて、レースを待った。これなら10倍を超えていた。

    宣言通りの展開となった。
    他馬を離しに離して、単騎先頭の形で林満明アップトゥデイトは逃げまくった。
    この逃亡に少しばかり攪乱されたのか、石神深一の手綱と騎座はいつもの堂々としたリズムを失っていてオジュウチョウサンの障害飛越は微妙に安定感を失くしているようにも思えた。着地のバランスが美しくなかったのだ。

    4コーナーを廻って直線を迎えてもアップトゥデイトはハイペースで逃げていた。
    しかしその差は1完歩毎に詰り、遂にゴールでは半馬身オジュウチョウサンが交わしていた。3着以下の馬たちとの差は大差。2頭はレコードタイムを刻みながら4100mのコースを駆け抜けたのである。

    的中こそならなかったが、近年稀に見る最高の障害戦を楽しませてくれた2頭の名障害馬に感謝して、中山大障害は終わった。この2頭は、まだまだ来たる2018年も障害のスターとして君臨するだろう。

           <中山大障害>芝4100m
           1着 オジュウチョウサン 石神深一 (牡6 63Kg ) 4.36.1 Record
           2   アップトゥデイト    林満明   (牡7 63Kg)  4.36.2  1/2
           3   ルペールノエル   高田潤   (牡7 63Kg)  4.39.4  大差


    中山大障害の興奮冷めやらぬ中、次に控えていたのは阪神Cである。
    2014年の皐月賞馬であり、これまで幾度となくレースを楽しませてくれた確かフジキセキの最後世代の産駒イスラボニータのラストレースだった。
    となれば応援しない訳にはいかない。ここ3年もの間、安心して軸にできる活躍を示してくれた応援しがいのある好きな馬だった。
    今でも蛯名正義が状態最高潮のこの馬を勝たせられなかった2015年マイルCS(3着:勝ったのはモーリス)は悪夢のような懐かしい想い出である。 

    軸はイスラボニータと決まっていた。相手は絞られる。スワンSを勝ちG1マイルCSでも3着に追い込んだ福永祐一サングレーザーに、現在4連勝中の上り馬C.デムーロ・モズアスコット。共に3歳牡馬である。それに趣味で2頭。笹田厩舎の武豊ダンスディレクターに、去年の覇者であり惨敗もあるがときに天才的手腕で魅了する横山典弘シュウジ。計4頭を相手に選んだ。

    4コーナーを廻って先に馬群を抜け出したのは武豊ダンスディレクター。
    4コーナーではまだ馬群に包まれていてハラハラドキドキさせたルメール・イスラボニータ。

    でもゴール前では、この2頭のハナ差の接戦となって、最後にG1馬の意地としたたかさを見せつけてイスラボニータが差し切っていた。走破タイムは、23年前の94年スワンSで小島太サクラバクシンオーが角田晃一ノースフライトを降して作った1分19秒9のレコードを凌いでいた。

    何とダンスディレクターは7番人気でこの馬連が40倍を超える結果となった。おー、これで明日の有馬記念の資金ができたとひと安心。しかし・・・。

    その後が悪かった。中山大障害から阪神Cと集中するあまり、自分の中の熱気も増して薄着でいたのが災いした。

    夕食時になっても食欲もわかず、少しばかり寒気がして、鼻水が止まらなくなり、どうもお腹の辺りがグルグルし始めた。
    明日は中山での「優駿」招待があって、何としても駆けつけたいのだが・・・。

    とにかく寝てしまって体力回復と決めて、寝酒にウィスキーをショットグラスで3杯あおって横になったのだが・・・。
                                                                (この項 続く)

            <阪神C>芝1400m
            1着 イスラボニータ  C. ルメール(牡6 57Kg)  1.19.5  Record
            2   ダンスディレクター  武豊   (牡7 57Kg)  1.19.5   ハナ
            3   サングレーザー   福永祐一 (牡3 56Kg)  1.19.7  1 1/4
                 




    category: 競馬

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    2017 朝日杯フューチュリティS~阪神・芝1600m 人気上位馬の決着 

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    12月17日。良馬場の阪神競馬場での2歳マイル王決定戦。その傾向が、阪神競馬場での朝日杯フューチュリティSというレースの存在意義を決定づけたと言える。

    12月28日に今年最後のG1戦として第1回ホープフルS(芝・2000m)が装い新たに生まれたことによる影響だろう。となると、年度の2歳チャンピオン牡馬は、これまでのように朝日杯を勝った馬が自動的に選ばれることはなくなり、このレースとホープフルSのレース内容が、きちんと質的に評価されることになっていくに違いない。

    となると、マイラーとしての2歳牡馬の前哨戦の内容を見極めれば、勝ち馬推理を的中する近道となるはずだ。今年の場合には、10月のサウジアラビアC(東京・芝1600m)と11月の京王杯2歳S(東京・芝1400m)が、幸いにして10月中旬以降から月末までの大雨の影響を受けることもなく、力量通りに決着したこともあって、大いに参考にできるトライアルとなった。

    となれば、あとはGCでの最終追い切りを冷静沈着に(余計な欲を込めることなく)確かめればいい。

    今週も録画した追い切りを見たのは土曜だった。
    まあ、ほぼ人気サイドで決まるだろうと予感していたので、推理の迷いがなかった所為もあるだろう。サウジアラビアCで魅せた先行抜け出しの川田ダノンプレミアムの力は非凡だったし、直線で16番手から2着に追い込んできたロードカナロア産駒ルメール・ステルヴィオ(朝日杯では弟デムーロが騎乗する)の脚も魅力的だったし、また京王杯2歳Sを圧勝したルメールタワーオブロンドンもその素質を十分に見せつけていた。

    何事もなければこの3頭で決着するレースとなるだろう。それでも一応穴馬を1頭は探そうと最終追い切りを眺めた。選んだ3頭の気配は充分に思えた。でもこれではあまりに人気サイドで気分が乗らない。もう1頭人気薄の馬を探そうとすると、浜中カシアスが目についた。それなりの気配を示していたし、京王杯2歳Sでも先行してタワーオブロンドンの2着を確保していたのに、どうも人気がないようだ。人気の盲点を突く裏街道は、捻くれ者である私の好みでもある。

    最後の難題は、ではダノンプレミアムとタワーオブロンドンのどちらを軸に選ぶかということだが、それはレースまでに決めればいいと考えた。

    日曜の午後。阪神10R準オープン戦の元町Sが朝日杯と同じ1600mで組まれていた。4歳牝馬和田竜二ミエノサクシードが1分33秒8で勝ち抜いたので、本番はおそらく1分33秒前半で決まるだろうと予想した。

    パドックで最初に目についたのはステルヴィオだったが、ダノンプレミアムもタワーオブロンドンもどっしりと落ち着いて歩いていた。穴に狙ったカシアスも予想からは捨てがたい状態だった。

    で、どうする?ダノンプレミアムから馬連3点にするか、タワーオブロンドンから馬連3点にするか?どっちが強いかは今日決まるのだし・・・。

    この日は迷わなかった。迷う体力もなかったので、いつもの方法にこだわらず、馬連は5点にして、その代わりに3連単の1着にダノンプレミアムとタワーオブロンドン、2着にステルヴィオ、3着にダノンプレミアムとタワーオブロンドンとカシアスを入れたフォーメーションならわずか4点だから、それを付け加えておこうと決めたのだ。

    各馬ほぼ好スタートから隊列が決まる。川田ダノンプレミアムはいつでも降りなく抜け出せるように好位3番手を確保した。カシアスはその外に並んだ。、それを見ながらルメール・タワーオブロンドンが馬群の中にいた。そして中団後方の外にC.デムーロ・ステルヴィオが追い上げる瞬間を待っていた。

    ホームストレッチの坂。すでにダノンプレミアムが抜け出していた。
    坂では2番手辺りのの外でカシアスが追いすがっていたが、坂を上り切って力尽きた。

    坂を上り切って、外からステルヴィオが33秒8の脚で豪快に追い込んできた。インからタワーオブロンドンも伸びてきた。しかしダノンプレミアムは33秒6の上りタイムで危なげなく突き抜けていたのである。

    タワーオブロンドンは距離適性が短距離の馬かも知れない。ステルヴィオは府中でこその馬に成長するだろう。果たしてダノンプレミアムは、マイル王に君臨するのかあるいはクラシックディスタンスを鮮やかにこなす馬に成長を遂げるのか?折り合いに少しも心配がないような印象なので、期待は大きいのではないだろうか?次にどこに登場してくるかによって、厩舎の方針も明らかになるはずだ。

    週末はクリスマスイブの有馬記念。キタサンブラックのラストレースだ。
    果たしてどんなドラマが待っているのか?興味は大である。



    1着 ダノンプレミアム 牡2 55.0 川田将雅 1:33.3  (上り3F) 33.6
    2     ステルヴィオ   牡2 C.デムーロ 1:33.9 3 1/2 33.8
    3 タワーオブロンドン 牡2 C.ルメール 1:33.9 クビ 34.0
    4 ケイアイノーテック 牡2 幸英明 1:33.9 ハナ 33.8
    5 ダノンスマッシュ 牡2 福永祐一 1:34.0 3/4 33.8

    ハロンタイム:12.6 - 10.8 - 11.8 - 12.0 - 12.1 - 11.3 - 11.0 - 11.7

    上り: 4F 46.1 - 3F 34.0







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    2017 阪神ジュヴェナイルF~阪神・芝1600m 

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    ゴール前の坂。
    ホームストレッチを先に抜け出した川田リリーノーブルをめがけて、外から石橋脩がまるで狂ったように一心不乱にラッキーライラックを追った。

    追って追って追いまくった。その手綱の叫びに答えるようにラッキーライラックはグィッと伸び切った。そこがゴールだった。
    種牡馬オルフェーブルの初年度産駒が2歳最初のG1を制覇した記念すべき瞬間である。


    いつものように木曜夜にGCの「今週の調教」で最終追い切りを録画して、私自身はスタンバイしていたが、土曜までそれを見なかった。本音を言うと、2歳牝馬のチャンピオン決定戦だったが、どうもまだ勢力図そのものがはっきりとせずに、確かな推理の自信が少しも持てなかったからである。一番先にデビューした馬であったとしてもまだ5か月ほどなのだから当然と言えば当然なのだが。

    気分を切り替えて、じっくりと最終追い切りを見たのは土曜の午後。真剣に見終えて、私の結論には迷いがなかった。
    もっともよく見えたのがラッキーライラック。その気配からは自然とオーラのようなものが漂っているように感じられた。軸はこの馬だと、即座に決めた。唯一の不安は騎手石橋脩がここ5年ほど(正確には2012春天皇賞ビートブラックとの初G1制覇以来)G1勝利を果たしていないということだったが、最近の騎乗には安定感を増している成長感のある騎手だから問題ないと踏んだ。ここらで日本人騎手の存在感を示して欲しいとも願ったのだ。(今、騎手界は相撲におけるモンゴル勢のように、西欧の騎手たちに席巻されている)

    ルメール騎乗のロックディスタンスもそれなりの気配だけは示していたが、牡馬を駆逐した札幌2歳S以来のぶっつけ本番というのがどうしても気懸りで(トライアル戦を使わなかったのではなく、使えなかったのではないかと読んだからだ)、このレースで軸にするのは嫌だった。大外18番枠も不利だろうし、オルフェーブル産駒の上位独占というのも出来過ぎた話だと思えたのだ。だから相手馬の1頭に加えるだけの評価にした。

    趣味で選ぶのなら、何と言ってもブエナビスタの仔福永ソシアルクラブ。もし福永祐一が直線で弾けさせる騎乗ができたならと、半分は願望を込めて期待した。

    他に気配を良く感じたのは、川田リリーノーブルに、戸崎マウレア。結構人気サイドの選択だったから、とっておきの穴馬に小牧グリエルマに注目した。何となくこの馬なりに好状態に思えたからだ。

    「乗り手がビシビシと促さなくても、馬が自然と走りたい状態になっていること」 それが走る様子からうかがえる馬を、私は私自身の主観で選んでいるのだが、ここ最近はいつもは邪な心を抑えて冷静に判断しているのか、どうも選んだ馬たちが頑張ってくれているようだ。

    私は所謂「予想家」ではないから(決められた時間に結論を出すのは無理で、ときにはレース直前の返し馬まで推理を粘ることさえある)、ブログの事後報告で何があったか私自身の時間経過をレポートしているだけだが、だからこそ長続きしているのかも知れない。
    もしそんな仕事依頼があったなら?って?それはそのとき考えますです、ハイ。(ついでですから、かつて伊藤雄二元調教師に聞いた走るダート馬についてひとつ参考になるヒントをお教えしておきましょうか。今日は芝のレースですが、いずれのために。追い切りや返し馬で確認してください。前脚のスナップの効いた走りをする馬が走るダート馬ですよ。エッ⁉そんなことは判らない?ならば判るまで馬を見続けて下さいませ)

    ともあれラッキーライラックから選んだ馬は5頭。これでは私には多すぎるのだが、ロックディスタンスもマウレアもグリエルマも、ほんのわずかな抑えにして、リリーノーブルとソシアルクラブを相手本線なら、まだ小学生の低学年の女の子の徒競走の様な2歳戦
    でもあるし、まあいいかと思って実行した。馬連の他に、枠連4-6の1点だけは、万が一ソシアルクラブが超大物ならと好奇心半分で余った軍資金から追加した。

    スタートして、隊列が決まったときには、石橋ラッキーライラックは好位の後ろの外(中団の前とも言えます)で、いつでも馬群を抜けられる態勢を築いていた。ここで勝負あったなと判断したほどである。

    ロックディスタンスは道中3番手辺りを確保して挑んでいたが、伸び切れなかった。久々だった所為なのか特性が平均ペースの長距離にあるということなのか、はっきりとした原因は判らないが、馬群に沈んだのは紛れもない事実である。

    直線でスッと馬群を早めに抜け出して最後まで踏ん張ったリリーノーブルも、良い脚力を持った好素質の馬だった。

    マウレアは最終最後に外から伸びて3着を確保した。

    結果からすれば、ロックディスタンスを除いた馬たちの人気通りの決着ということになる。
    しかしホームストレッチの石橋・川田の攻防は見応えがあった。特にラッキーライラックの脚力を測ったように追って伸ばし切った石橋脩の騎乗は、本人がその価値の本当の意味を理解していたなら、さらに大きく浮上する契機となるだろう。

    おそらく石橋脩は、体当たりで勝った12年春の天皇賞以上の騎手としての成果を、このレースでつかみ切ったと言える。今後の活躍を見守りたい騎手である。





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    2017 チャンピオンズC~中京:ダート2000m 

    埴輪馬
                    
    夕刻から歩き過ぎたJCの東京競馬場観戦の疲れが、まだ完全には抜けきれず週末になっても頭がボーッとして慢性睡眠不足状態のようだった。

    チャンピオンズCというのは、かつてのJCダートの変化したJRA競馬年度後半戦のチャンピオン決定戦となっている。とは言え、暮れの大井・東京大賞典があり、ダート馬の日本1決定戦は、どちらかと言えば地方中央の精鋭が集まるこちらの方かなというイメージはぬぐえない。JCダートの名称を変更したために位置付けは曖昧になったままである。

    で、あまり真剣にならず、木曜深夜の最終追い切りを見て、ピーンときた3頭をピックアップして、日曜の午後に投票しておいた。

    選んだのは、内から田辺コパノリッキー、ボウマン:グレンツェント、ムーア:ゴールドドリーム。
    上り馬古川テイエムジンソクも、古豪大野サウンドトゥルーにも敢えてこの日は興味を持たず、何となくこれだけ先行馬が揃えば、逆に暴走の先行馬はいなくなってペースはそれなりに落ち着くと読んで、ならば先行するコパノリッキーを直線で、ゴールドドリームかグレンツェントが差し込んでくると、いろいろ難しく考えることはやめた。

    アルバートでステイヤーズS3連覇を決め、調子を本格化し始めたムーアと、JCの覇者ボウマンに、中京に処を変えても逆らう気が起きなかったのも事実である。
    でも、世論が作るオッズでは、ムーアは8番人気、ボウマンは10番人気、田辺コパノリッキーは距離が長いとみられたのか9番人気で、この3頭の組み合わせは相当なロングショットで、不思議なほどだった。

    ゴール前、逃げた田辺コパノリッキーがインで粘っていた。
    ゴール直前まで粘り抜いて、なかなか古川テイエムジンソクは交わせなかった。

    そこに狙い澄まして、ムーア:ゴールドドリームが追い込んできた。
    コパノリッキーが粘り抜いたならと思った瞬間に、テイエムジンソクが交わしたが、それより前にムーア:ゴールドドリームが突き抜けていた。

    1着ゴールドドリーム。首差で2着がテイエムジンソク。さらに首差で3着コパノリッキー。4着以下は差が開いた。ボウマン:グレンツェントは好位を進んでいて直線でたれてしまったが、個人的に狙った馬が2頭、万馬券の組み合わせでゴールイン寸前まで楽しませてくれた。
    昼過ぎに投票して、結果はあわや万馬券のレースを観劇料程度で熱く楽しめたのだから良しとしようか。

    今月は、24日クリスマスイブの有馬記念で終わりではなく、何と28日に2歳G1ホープフルS、29日に東京大賞典が開催される。体力温存が必須事項である。







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